天災の大天使
アラビア海を渡航中の世界最大級の豪華客船
その船の屋外プールに備え付けられている、ヤシの葉やココナッツの殻でハワイ風に修飾されているカフェ
そこで、一人の少女がブルーハワイソーダを飲んでいた
金色の短い髪に夕焼け色の瞳、丁度いい凹凸をした体を水色のビキニで包んでいる少女。彼女は神東神喜「最強の殺し屋」の異名を持つ殺し屋だ
「んー! やっぱ金持ちが集まる船なだけあるね。このソーダめっちゃ美味しいよ。お前はなんか飲まないの?」
神喜は隣に座っている場違いな小学校低学年ぐらいの少年に話しかけた
「喉乾いてないんだよ、それにハマったら躊躇しちゃうかもしれないだろ」
「あー…確かに?」
「それで、なんで貴様がここに?」
「方舟で移動中にたまたま君を見つけてね、勝手に乗り込んじゃった」
「よくバレないな」
「そこは、まあ、金で」
それを聞くと少年は汚いものを見る目で神喜のことを見つめた
「こういうものなんだよ。金は正義」
「リバーサルみたいなことを言い始めやがったよ」
「リバーサル?」
「金好きの大天使だ、それ以上はなんも教えないからな」
「あっそ。別にいいよ、そこは私の仕事じゃないし」
神喜はソーダを飲む、口いっぱいにしゅわしゅわとブルーハワイが広がった。喉を潤わせて、神喜ははっきりとした声で言った
「この船、沈没させるんでしょ?」
はっきりとした声だったが、その声がカフェのマスターに聞こえることはなかった。なぜなら、マスターはすでに死んでいて、このソーダは神喜が自分で作ったものだからだ
もちろん、マスターを殺したのは神喜の横に座っている少年型の天使にして唯一リンナと正面から殺り合えた天使である、最上位天使第三位「災害の大天使 ディザスター」であった
「そのために乗ったんだ、当たり前だろ」
「そっかー。まあ私は良い人を助けるから、好きに沈没させちっていいよ…と、言いたいけど、ていうか本心だけど」
神喜はカウンター置かれているコインを手に取り、一回コイントスを決める
「抗っといた方がメンツが良いから、てきとーにコイントスで勝負でもしよーぜ」
「はぁ、裏で」
「じゃあ、私が表ね。私が勝ったら暗殺とかで我慢して」
「メンツはどうしたんだよ」
「この船に乗ってる人に気に入らない奴が多いいからね。殺してほしくない人は適度に守るから」
神喜は天使殺しの中でも歪んでいる方の人物である
気に入らない相手に対して本気で死んでほしいと思い、死んでくれたら心の底から喜べる、神東神喜はそういうタイプのメンヘラである
「歪んでいるな。ルミにも匹敵するんじゃない?」
「誉め言葉として受け取るよ、ありがとう。んじゃ、さっさとトスるよ~」
神喜が指でコインを弾く。コインは宙に浮き回転しながらな落下してカウンターにぶつかりバウンドする
何度かバウンドした後にコインは停止した…カウンターに乗っているコインは裏だった
「あちゃー、私の負けか。仕方ない、方舟を使うか~」
「なら、安心して天災を起こせるな」
そう言うと、ディザスターの周りに殺意ましましの風が吹き始めて一瞬にしてカフェが切り刻まれた
「いきなりだね?! 少しは間ってよ!」
神喜はそう言い残して、白い光に包まれてどこかに飛んでいってしまった
神喜が離脱してから数秒後、あっという間に豪華客船の周囲に複数の竜巻が発生した
稲妻も発生して船で火事が発生する、船内は混沌としていたが、その問題はあっという間に解決した
突風が吹き、船が反転する。船内は浸水し中の人たちは一人一人死んでいった。そして、すぐに船は完全に沈没した
ディザスターは、沈んでいく豪華客船を見下していた。すると船の中から複数の光の球体が壁を突き破り、外に出てきた
そして、光の球体はばらばらの方向に向かって飛んでいった…
ディザスターはため息をつき、その場を後にした…
光の球体が飛んでいくのを見ながら、神喜は海をプカプカしていた
「最低限は助けれたかな~。でも、自分用を忘れるなんて、私ってドジっ子」
ちなみに、神喜はかなづちのため泳げない。神喜は諦めてとりあえず寝ることにした(?) そして神喜はそのまま波に流されていった




