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salvation magician 第二幕 動き始める者  作者: WaffleEX
間章 東京爆発予告事件
21/127

東京の天使殺し達


時刻 21:00


一ヶ所、爆発天術を破壊した美成は次の現場の爆発天術も破壊して、今は三つ目の爆発天術が仕掛けられている地下鉄の線路を調べていた


短式天域内部のため電車が通ることはないが、地下ということもあって罠が分かりにくく、利き手にサブマシンガン、空いた手でライトを持って辺りを照らしながら慎重に進んでいた


そのため、自然と時間がかかってしまうが、ここで美成が負傷してしまったら破壊に動けるのはリンナだけになってしまう



美成は一瞬、腕時計に視線を落とす。時刻は21:00を指していた。美成が天域に入ったのは20:30のため30分の時間が流れていた

(短式天域に入って30分、流石におかしいですよね)


一切罠が仕掛けられてないことに疑問を抱いた美成は、同じ場所を回っているかを確認するためにサブマシンガンで前方の暗闇を撃った


「パンッ」と音を鳴らして銃弾が前方の暗闇に消えていって、少しすると後ろから銃弾が飛んできて頬にかすった


(頬を狙って撃って確かに頬に当たったし、注いだ私の天力も感じる。この玉は私が撃った玉で間違いない)


同じ場所を回っていることが確定した

「天術ですね、それも最上位天使クラスの…しかも、爆発天術とは性質が違う、別の天使の仕業、ですよね?」


美成は前方の暗闇に向かってそう喋った




水晶を通してその発言を聞いていた幼女天使がいた

「…ハァ?! バババ、バレちゃってますぅ?!」


バレてしまっている驚きで、天使は水晶を落としそうになってしまったが、ギリギリでキャッチできた


「ふぅセーフ…じゃないですぅ」


慌ただしく、守れと頼まれていた天術陣の回りをぐるぐる回る、そして一つのことに気がついた


「あっ、でもバレたところで抜けられることはないから、どうせ平気じゃないですかぁ~」


彼女の権能は「誤認」 認識を誤認させるだけの能力だが、彼女はとある大天使から授かった「天域」と合わせることで、美成を閉じ込めていた


天域の効果は空間を模写する効果と、対象の人物や物が一定の距離を進むと天域の向きが反転する効果の二つである

これに加えて、天使の誤認を使うことによって仕掛けに気づけなくなるというものだった


落ち着きを取り戻した天使は、再度水晶に目をやる

水晶には、軽くウォーミングアップとしてジャンプをする美成が映し出されていた


「なにするき、なのでしょぉ~?」




ウォーミングアップを終わらせた美成は、大きく深呼吸をして前方の暗闇に意識を向けて、ゆっくりと走り始めた...


ある程度速度が出始めたら「加速」を使い、さらに速度を上げた

初速は秒速40m


加速を使ってからの初期速度は、秒速100m

しかし、走り続けることで美成の体温が向上し、それに伴って「加速」も加速していって、美成の速度はさらに上がっていった


(まだまだ、問題ないですね)


徐々に足の回転が速くなり、美成の速度は上がり続ける

現在の速度は秒速1㎞ しかし速度はまだ上がっていた


秒速3㎞を超えたあたりで、空間に歪みが生じ始めた


(あと一歩ですね)


美成はループの原理をまったく気づけていない

しかし、なにかしらの天術が発動していることは確定していた

そこで、美成がとった行動は...

「高速で動き連続して天術を発動させてオーバーフローを起こす」というものだった


実際、術にほころびがうまれた。しかし、まだ突破するには至っていなかった


そこで、美成は自分にできる最大速度をだすことにした

「伝承憑依、創意天使(サハクィエル) 天粋加速(てんすいかそく)


伝承憑依から二秒後、天域の膜を突き破った

視界の先には、壁に刻まれている天術陣と水晶を覗いて驚いている紫髪の幼女の姿があった


幼女はすぐに美成の方を向いたが、あまりにも遅すぎた

美成は一瞬で天使に近づき、四方八方から銃弾を放ち、天使のことを銃弾で囲んだ


美成の加速は意識にも適用できる。美成の意識が加速されることによって、相対的に周りの意識が遅くなる

その精度が上がることによって、美成の「加速」は実質的な「時間減速」を可能とした


美成は指を鳴らし、それと同時に自身の意識にかけた「加速」を解除した


美成からみた時間が本来の速度に戻り、天使を囲う弾丸が動いた


「へ?」


無数の弾丸が天使を貫いた

そこに追い打ちとしてリンナから貰ったマッチ棒に火をつけて天使に投げつけた。もちろん、天使は灰すら残らなかった


そのまま、天術陣にも火を放った


「予想以上に時間と天力と体力を使ったしまいましたね...」

時計を見ると時刻は21:30を指していた



作業用の通路を通って地下鉄を出て、スマホを確認すると何件かメールが届いていた


内容は「謎の仮面少女が、確認されていた天域の一つに突入し、天術陣を破壊して部下達の命を救った」と言うものだった


美成はその人物に心当たりがあった…

「そういえば一人いましたね。戦力になる「自称 神の使い」さんが…」


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時刻 21:15


東京の川沿いの公園

時刻が遅いこともあり、人の数は少なかったが、万が一人が入らないように天使殺し達が見張っていた


公園に一歩踏みいると、大量の聖獣が待ち構えている天域が展開されていた


この天域も、とある大天使がボームに授けた天域であり

使用者が天域内にいなくても自動で維持し続ける自立型の天域だった


その天域内で大勢の天使殺しと大量の聖獣が激突していた


「維持でも防衛網を阻止しろ! 一匹たりとも通すな!」

前線で指揮をとる仏頂面の天使殺しが大声で叫ぶ、それに呼応するように他の天使殺したちも声を上げ士気を高める


前衛が後衛の遠距離兵を守り、遠距離兵達が聖獣に銃撃を放つ。作戦としてはシンプルだが確実な作戦だった

しかし、天域との相性が悪かった


「いつまで続ければいいんすか?! これ!」

新人の天使殺しの青年は、体力が尽きてしまい膝をつく、そこに何匹かの聖獣が飛びかかってきた


新人は死を覚悟した。しかし、仏頂面の天使殺しが刀を使い、聖獣を切り裂く

「いいから倒せ、無限なんてものはありえない。いつかは終わりがくる」


「隊長…つっても、もう一時間も動きっぱなしっすよ?! やっぱり美成さんを待つべきだったのでは…」


「馬鹿者! あの人のような強い人に頼りすぎると、対天使局全体の実力が下がるし、強者の人に負担をかけてしまう」


「わかってるっすよ!」

新人は足に精一杯の力を込めて立ち上がり、ナイフを構えた


「俺だって強くなりたいっすよ!」

そう言った新人は『自分より年下でありながら、天使殺しの試験に歴代最高成績を残した同期友達』の姿が浮かんでいた


「よく立った! よし新人、私たちで全員生かして帰るぞ!」


「はいっす!」

そう二人が叫んだ瞬間、物凄い速さで何かが新人の横を横切った


新人が横を向くと仏頂面の天使殺しの姿は無かった

すると、上空から赤い液体が落ちてきた。新人は恐る恐る上を向くと…


仏頂面の天使殺しが、先が刃の謎の触手のようなものによって、心臓を突き刺されていた

「がぁ…ぶはぁ」

仏頂面の天使殺しが真紅の血を口かは吐き出す


おそらく、あの人はもう助からない…


新人も前線の天使殺しも後衛の天使殺しも全員が静止し、そして絶望した

「あ、あ、あ、あ…ああああぁぁぁぁぁぁ」


自分とは思えないほどの叫びが、新人の喉から発せられた

さっきまでの根拠のない安心感が、一瞬にして絶望に変わった


新人は膝から崩れ落ち、顔を上げる気力すら残っていなかった


背後から次々と悲鳴が聞こえて、だんだんと血の匂いが濃くなる


次第に悲鳴が聞こえなくなった。新人がゆっくりと顔を上げると、周囲の天使殺しは全員血を流し倒れていた

しかし、新人は動揺しなかった。すでに絶望に染まっていたからだ


前方には背中から八つの触手が生えている人形鉱石の天使が浮いていた。もう、この場に新人以外に万全な天使殺しはいなかった


無数の触手が刃となり、新人に向かって飛んでくる…

(死んだっすね…)


新人は諦めて目を閉じる…しかし、一向に痛みが走ることはなかった。不思議に思った新人が目を開けると、目の前に水色髪の少女が立っていた


「へーき、そうではなさそうだね」

そう言って振り向いた彼女は、ピカソを思わせる仮面を被っていて顔を見ることはできなかった


少女は辺りを見渡してから、仏頂面の先輩に近づき首筋に触れる

「一応生きてはいるね、なら問題ないかな」

少女の目の前に半透明の水色でできたキーボードが現れ、少女はかなりの速度で何かをタイピングする


少女がタイピングをしている間も、触手達は攻撃を続けていたが、少女に近づくと触手はすべて電子状に分解されていた


天使は触手を何度も再生させて攻撃を続けるが、結果は同じ。少女も天使のことなんか気にも止めずタイピングを続けていた


「よし…これで…完了!」

少女がおもいっきりエンターキを押すと…

「疑似インストール完了 コード Χρόνος」

という文字が、浮かび上がってきた


「アクティベート 状態戻し」

少女がそう言うと、周囲に流れていた血が天使殺し達の身体に戻って、倒れていた天使殺し達の刺し傷もあっという間に完治された


「ふぅ~、仮死状態で魂が完全にいっちゃってたら危なかった、セーフセーフ。君もありがとね」


なぜか少女は、なにもしていない新人にお礼を言った。新人はその事を疑問に思ったが口が上手くまわらなかった


「さて、君は隊長君に付いててくれる? 彼は大事だから」

そう言って指を指した先には仏頂面の天使殺しが、完治された状態で倒れていた、新人は一目散に彼に近づいた


新人が下がったことを確認すると、少女は軽く微笑でからキーボードに「escape」と打ち込んだ

すると、新人や他の天使殺し達の身体が光となって、次第にこの天域から消えていった


「これで死者ゼロ人だね」

そう言って少女は天使の方を向いた


「最上位天使第25位の…えっと~、誰だっけ?」


「…」


「そういえば、君は喋れないんだっけ? 不便だね」


「…」


「まっ、いいさ。君は物語に関係ないから私が直接手を下してもいいんだしね」

すると少女のまわりに複数の画面が現れた。画面には何かのプログラムやパラメーターが写し出されていた


「どうせ描かれないだろうけど、ちゃんと戦ってあげるよ。光栄に思いなよ、()()()と戦えるなんて、普通はありえないんだから…」


天使は、超越者と言う言葉にはんのうしぃてぇぉあぅぉぅooseeeeteeesee%rbs÷'☆$☆%☆$(×(#×/$(÷♪︎●_($♡●↓○♡(÷($(÷ejw$)$)$☆÷($□↓3●)dj÷♤♪︎)2)÷)$(×♤□↓|(error


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川辺の公園で天域の方を眺めている二人組がいた


一人は車掌服を着ている、黒髪の高身長青年

もう一人は茶髪のセミロングの文学少女


2人は並んでクジラの滑り台に座り、中にいるであろう人物について話していた

「あの人は…超越者なんですよね?」


「はい、その通りですよ。私も会ったのは初めてですけどね」


「凄い方なんですか?」


「はい、とても凄い竜主の方ですよ」


「へー…」

ぼーっと天域を眺めていると、中に居たはずの天使殺したちが現れた、一人を除いて意識を失っていて人止めをしていた天使殺したちが集まりはじめた


「焦る必要はないですよ、ライザ様」

車掌は文学少女の心を読んだのか、彼女が欲しかった言葉を与えた


「いまは勉強だけで満足してます、戦闘はよくわかりませんが、物語をまとめるのは好きですし」


そう言って、文学少女は白い日記帳を取り出して、軽く撫でた

「私はまだ、歩み途中ですしね」




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