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張られた罠と探る天才

バーを出て2人でホテルに向かっていた途中、歪な感覚にさいなまれた。周囲を見渡すと都市を歩く人々が居ないことに気がついた。人々が居ないが周囲の都市の光は消えてなく、その光景に2人は不気味に感じた


「天域に飛ばされたね。完成度的に最上位の際下級…普通の天使殺しなら確定で死ぬだろうけど、俺達なら問題ないかな」


そう言いながら互いに武器を用意する。ルジは片手サイズの剣のモニュメントを十個用意し、ムネは回転式リボルバーを内ポケットから取り出した


「敵は1人だけですね。さっさと終わらせてホテルに向かいましょうか」


すると、1人の金髪少女の天使が大通りのど真ん中を堂々と歩いてきた。大剣を持っているが背が足りず地面に引きずりながら歩いていた

「ヘイヘイ! そこの天殺ども! 私は最上位だそー! 恐れろよい!」


((アホな子だ))


「おい天殺! いま悪口を考えただろ! とりあえず私の正面に立て!」


彼女は大通りのど真ん中に立っていたため、歩道を歩いていたルジ達からは少し距離があった。ため息を吐きながら2人は天使の正面立った


「はいはい! 若僧2人組か~すぐ死なないで…え」


天使がなにかを言い切るまえにルジが天使の右腕を切り裂いた、そのあまりに早い攻撃に天使は何が起きたかを理解できていなかった

「部下を早く休ませたいんだ。死ぬなり退くなりしてくれないかな」


その言葉を聞いた天使は相手の強さに気付きバックステップで距離を取り、切られた腕を再生させた


「雑魚じゃ…無さそうですね…ていうかかなり強い…逃げよう!」

そう言って、天使は翼を生やして空に飛ぼうとしたが、ルジが剣のモニュメントを翼に向かって投げた。剣のモニュメントは空中で巨大化して天使の両羽を貫き、天使は地面に向かって真っ逆さまに落下した


「うへ? わあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわーーーーーーー!!」


轟音と共に天使は頭から地面に激突した


「死んだかな?」


「そんなわけないでしょ…」


ムネの言う通り天使は立ち上がった、しかし1つだけ不可解な部分が合った。一切ダメージを負っていなかったのだ。落下のダメージどころか貫かれた翼すら再生されていた

「痛たたたた…身体が砕けそうになったよ…というか砕けたよ! よくもやったな天殺ども!」


そう言って天使は大剣をルジに向かって投げつけたが、ルジは手で弾くように大剣を粉々に砕いた。その光景を目の当たりにした天使は唖然としていた


「あー…幻覚系統の天使と契約をしてなっしゃる方なのかな?」


「いや、違うけど?」


「全権能を持ってして全力逃亡を開始する!」

すると、天使が服のポケットから小さな金の欠片を取り出して強く握りしめた。そしたら金の欠片が金の大剣へと姿を変えた

「覚えておくがいい! 我が名はソウ! 最上位天使第70位の天才だ!」


「…ねえムネ? 最上位天使って何人いるんだっけ?」


「70人ですね。要するに「最上位天使」の中で「最弱」ってことですね」


その発言に反応して、ソウがムネに向かって大剣を思いっきり投げつけたが、ムネはリボルバーを1発大剣に放ち大剣は粉々に砕けた。そしてソウは同じように金の大剣を作り出しムネに向かって走り出した


「「最弱」っていうなぁ!」


近付いてくるソウに向かって、ムネは何発か弾を打ち込むが、即座に再生して近付いた。足を破損させても、両腕を破壊しても、本来破壊されたら消滅するはずの核を内貫いても再生した


そして、大剣の間合いまで近付かれてしまった…


(…最弱でも最上位なだけはありますね。力を使いますか)


ムネは青色の弾丸をリボルバーに装填しようとしたが、ルジがムネを後ろに下げて前に立った


それからの出来事はあまりにも早い動きなため、ムネですら全てを見切れなかった


ルジは紫のオーラを纏わせた斬撃を飛んでもない速度で放った…ルジの斬撃は確かにソウですら見切れていなかったが、攻撃が当たる最後の瞬間に人が変わったかのようにその攻撃を回避した


ソウ本人も何が起きたのかを理解できていなかったが、少し考えると何かに気付いたのかスッキリした顔をした


「そういうことね、あんやろう!」


すると別の気配が天域に現れて、ソウが黒い霧に包まれた

「それじゃあな! 天殺どもよ!」


それを聞いてムネは「逃げられる」と思い、止めるために近付こうとしたがルジに止められた

「あの場にはもう居ないよ」


「えっ?」


「あの霧は重力を圧縮して作られているもの…要するに少ブラックホール。声は少し遅れて聞こえてるんだと思う」


「…逃げられましたか。援軍がやってくるとわかっていれば早々に終わらせていたのに」


「悔やんでも仕方ないよ。気持ちはわかるけどね…本当にやられたよ」


「やられた? 逃げられたことですか?」


「いや、そうじゃなくて…」

ルジが答え終わる前に天域が歪み始めた。天域を作り出した天使からの天力供給が止まったのだろう。2人はとりあえず天域から抜け出すことにした



歩道を歩きながらルジはさっきの質問の続きを答えた

「探られてたんだと思うよ。あのソウとかいう天使は当て馬で、霧を出した天使が俺達を観察してたんだと思…う?」


「すみません、疑問系で答えられても…」


「小規模ブラックホールの霧を生み出すなんて、最上位天使の中でも上位だと思うんだけど…その気配を見逃すなんてことは、ないはず…なんだよね」


「そう考えると、相手はこういった「探り」に長けているんですかね」


「んー、どうだろう? 何か違和感があるんだよね」

ルジが感じていた違和感は当て馬に使われたソウが見せた、あの回避だった。あれはリンナさんの体術と同等でなければ出来ない程の動きだった。あんな動きが出来る奴が最上位天使の最下位とは思えない


「考えても仕方ないし。とりあえず、早く眠りたいからホテルに急ごうか」


「そうですね。私も早くシャワーにありつきたいです」



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