天域の罠
ムネがソウと戦闘を始めた頃、ルジとフィオナは屋敷に侵入して罠を避けつつ、屋敷に潜んでいる最上位天使と目標人物をを探していた
屋敷の内部は電気が止まっているのか暗く、窓から射し込む月明かりでうっすらと見える程度。これに加えて罠を避けながら天使と目標人物を探さなければならない
本来ならば難しい任務のはず…しかし
「あっ」
廊下を歩いていると床が抜けて、ルジが針の山に落ちていったが、ルジは何気ない顔で針の上に着地し、軽く飛ぶように穴を上がってきて再び歩き始めた
部屋に入ろうとドアノブに触った瞬間、扉が爆発したが「こわい、こわい」といい無傷で服にかかった砂埃を払って部屋の中に入って探索を始めた。それを見てフィオナはかなりドン引きしていた
このように、ルジは罠を難なく乗り越えて1部屋1部屋確実に潰していった。ルジは何度も罠に掛かっているが一切外傷を負っていなかった
そして、2人は3階の角に位置している「業務部屋」を残してすべての部屋の捜索を完了させた
部屋の内部からは天使の気配が漂っていた。ルジは最初は罠だと思って後回しにしていたが結局本当にここに居るらしい
ルジとフィオナの目を見つめた、フィオナは軽く頷いてから扉を開けて突入した。部屋には本棚がいくつか壁に貼り付けられていて、それ以外には業務用の机しか置かれていなかった
机の背後の窓から月明かりが照らされる、光に照らされて机に備え付けられている椅子の上に置かれている「それ」に気がついた
人の形の黒曜石
天使の気配はその黒曜石から放たれていた。ルジが破壊しようと近づくと、黒曜石が紫色に鼓動しはじめ気配が巨大になった
「まずっ?!」
ルジは気配が巨大になる瞬間にフィオナを抱えて窓から外に飛び出ようとしたが、黒曜石が砕けて黒色の何かが2人のことを覆い隠した
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ルジが目を開けると周囲の風景は一変していた。直径100mほどの円形の空間が広がっており、床には様々な模様が模されていた。そして、その空間で最も異彩を放っていたのは空間に無数に蔓延る赤黒く光っている黒曜石の鎖だった
「フィオナ、大丈夫か?」
そう言ってルジは自分の胸の中にいるフィオナに声をかけた、フィオナはいろいろと困惑していたがルジの声を聞いて落ち着いたのか状況を理解できた
天域に誘い込まれた
業務部屋に事前に天域の繭を作っておきルジ達が部屋に入ったら繭を孵らせて天域に閉じ込める。まんまとその罠に掛かってしまった
上空を見ても黒曜石の鎖と漆黒が広がっているだけ、2人は天域の際深部に閉じ込められしまっているため脱出も難しい
ルジが辺りを捜索しようと1歩踏み出した時、周囲の鎖がルジに向かって飛んできた。ルジはとっさに回避をして一瞬で周囲の変化を観察する
フィオナは無事だった、彼女も鎖に攻撃されているが避けるなり弾くなりで自力で対処している
周囲の鎖の数かさっきまでと比べてかなり増えていた。さっきまでは目視で6~7個程しかなかったのに対して、今は30個は越えている、それに加えて赤黒い光も一段と強くなっている
そして、何よりの変化は天域が生き始めた。さっきまでは生気の感じられない暗い「死」を感じる空間だったのに対して、今は天域全体が明るくなり「生」を感じる空間へと変化していた
この変化が起こった要因をルジは即座に理解した、そして周囲の天力の一部が1点に集まって人形の黒曜石が現れた、背中には上空から伸びている無数の鎖が刺さっており、その姿は鎖に吊るされいる死刑人の要にも見える
「ーーー ーーー ーーーー」
どこからか機械音のような音がきこえてきたが、ルジはそれが天使にしかわからない音だと知っていた
「この世界の言葉で喋ってくれ。まったく理解できないんだよその音」
そしたらしばらくの沈黙の後に再度機械音が聞こえてきた
「・- ・- -・ ・・ ・-・- ・・-〈いいだろう〉」
「…なぜモールス信号?」
「-・- -・-- --・-- ・-・-- ---- -・--- ・--- -・ ・・ ・---・ ・-・ ・- 〈わけあってこえがだせない〉」
「あー、はい」
ルジは過去にリンナからモールス信号を教えられたことがあってある程度ならば瞬時に訳せるが若干めんどくさかった
「名を名乗れ、そして殺し合おう。そしたら変に頭使う必要がなくなる」
そして、ルジは腰から剣のモニュメントを2つ取り出して丁度いい大きさに膨張させた。相手の天使も背後の無数の鎖をルジに向けていた
「-・-・- ・- --・-・ ・・ ・・- ・- ・-・-- ・-・-・ --・-・ -・ ・・ ・- -・-・ --・-・ ・・ ・・- -・-・・ ・・- ・- -・・・ ・・--・ --・ -・・ ・・ ---・-〈最上位天使 第29位パリボス〉」
その音が流れ終わった瞬間、空間に蔓延る鎖が一斉にルジとフィオナに向かって飛んできた




