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目が覚めたらそこは……

「…………生きてる」

そう、ベッドの上で小さく呟いた……あの時私は死んでしまったと思っていたけれど、あかりの言う通り生きていたんだ……

でも、なんでだろう……生きているのにすごく不安になる。

それは、多分あの世界での出来事が夢じゃないって分かってるからだ。

あの時の事は、今でも鮮明に覚えてる。

私は起き上がり、窓の外を見る。

するとそこには、見慣れた風景があった。

いつも見ている景色なのに、凄く懐かしくて愛しく感じる。

しばらく、ボーっと外を眺めていたら、ノックの音が聞こえ、そっちの方へ

視線をやると、私の様子を見に来たであろう看護師さんが部屋にへと入ってきた。そして、私を見て驚いた表情をした。

まあ、そりゃそうだよね。

だって、ずっと目を覚まさなかった私がいきなり目を覚ましたのだから。

「小鳥遊さん目が覚めたのね……!!待ってて、今先生を呼んでくるから!」

そう言って、看護師さんは慌てて病室から出ていった。

それから、数分後さっきの看護師さんと先生が現れて、今の私の状況を説明された。

どうやら私は一年以上眠っていたらしい。

それは、私が異世界へと行っていた期間と全く同じ時間で、 私がもし、あの世界に、二年、三年といたらそれだけ眠っていたのだろう……

私は、その後診察を受けて問題なしと判断され退院した。

家に帰ってからも、私の頭の中は あの世界の事でいっぱいだった。

皆には早く会いたい……

そう思った時、ふっと気づいたことがあった……

「あかりにまだ会ってない……お見舞いとかにも来てなかったし……」

もしこの世界にあかりが存在してなかったら……そんな嫌な想像ばかりしてしまう。

そんな訳ない、あかりはいるはずだ……

不安で不安で仕方がなかった私は、勢いで家を出てあかりを探しに飛び出した。

あかりが何処にいるかは分からないけれど、とりあえず私はあかりの家へと向かう事にした。

あんなに眠っていたのに、私の体はあかりの家までの場所を覚えているようで

、迷わずに進むことができた。

しばらく歩いていると、見慣れた街並みが見えてきた。

そう、ここが私とあかりが一緒に歩いてきた道だ。

そして、この先には……あかりが住んでいるマンションがあるはず。

私は、少し早足になりながら歩き続けた。そして、遂にあかりの住むマンションに着いた。

私は、震える手でインターホンを押した。

少しして扉が開き出てきたのは……

あかりだった。

その姿を見た瞬間、私は思わずあかりに抱きついてしまった。

あかりは、そんな私を優しく抱きしめてくれた。

「目が覚めたんだね……おかえり」

「………ただいま」

そんなやり取りをして私はあかりの家へと上がった。

部屋に入ると、テーブルの上にはお菓子や飲み物などが置かれていた。

きっと、私のために用意してくれたんだろう。

その優しさに触れ、嬉しさで泣きそうになる。

だけど、ここで泣いたらまた心配させてしまうと思い我慢する。

すると、あかりは突然立ち上がりどこかに行ってしまった。しばらくして戻ってきたあかりの手には、一枚の写真が握られていた。

その写真を見るとそこには、玲央様達やあかり、そして私が写っているものだった。

「これ……」

「前に撮った写真、他の写真は持ってこれなかったのにこれだけは何故か持ってこれたんだよね」

「…………そうなんだ、ねぇ?一つ聞いていい?」

「なぁに?」

「どうしてお見舞いに来てくれなかったの?」

「それは……」

「それは?」

「なんだか会うのが気まずいなって思って……」

「なにそれ!私すっごい不安だったんだから……!!」

私がそう言うとあかりは、申し訳なさそうな顔をして謝ってきた。

その姿を見て、怒る気も失せてしまい、ため息をつく。

すると、あかりはそんな私を見て苦笑いを浮かべていた。

私は、もう一度その写真をじっくりと見る。

やっぱり、皆の姿を見るだけで安心できる。

早くあの世界に行く魔法を見つけなければ、そう心に決めて私は目の前にあるお茶を口に含んだ。

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