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あかりは、さっきまで私と話していたことをみんなに話し始める。

勿論ゲームとか前世とかの話は伏せて。

私が怖い夢を見た、と言う感じで話し始めると最初は夢?と思っていたみんなも

私の表情を見て、嘘じゃないと悟ったようで真面目な顔で話を聞いていた。

話し終わると、玲央様が口を開く。

「それで百はどうしたい?」

玲央様は優しく微笑みながら問いかけてくる。

「私は……まだ分からないです……」

私は正直に答えた。だって、本当にわからないから。

夢の中の私は何を伝えたかったのか、その為には私はどうしたらいいのかとか……俯きながらそう答えると玲央様はそっか……と言ってそれ以上何も言わなかった。玲央様だけじゃなくて、他の人達も何も言わず黙っていた。

沈黙が流れる。

すると、今までずっと口を閉ざしていた世良先輩が声を上げた。

「でもさ!それって夢の話でしょ?だったら

別に関係ないじゃん! 確かに魔力がある人は予知夢を見るって聞いた事あるけど

結局は夢なんだろ? それにもし仮にそれが本当だとしたって、 結局は夢なんだから気にする必要無いと思うけどなー俺は」

と、軽い口調で言ってくる。

私はそれに対して、 そうだよね……と呟く。

きっと……夢の中でもう一人の私は、この世界が大切と言っていた

でも、私もこの世界が大切で、でも前世の世界も大切で……

そのどっちの世界も消えてしまうのは嫌だと思った。

だって私は……

私は顔を上げて真っ直ぐに前を向いて言う。

「まだ、どうすればいいか分からない……けど、皆の事が大好きだから……それが無くなるのはいや……です……」

そう伝えると、みんな優しい笑顔を浮かべていた。

私は、この笑顔を無くしたくないって改めて思った。

もし、この世界と前世の世界の両方に行ける力があればいいのに。

その時ふと、あかりはどう思ってるんだろう?と気になった

だってあかりも私と同じ転生者だから……

「ねぇ、あかりはどう思ってるの?」

「え?私?」

「うん、だってあかりも私と同じ……でしょ?」

「そう……だね、私もこの世界は好きだよ。……私は百が選んだ世界についていくつもり……」

「えっ!?じゃあ、私が元の世界に帰るって言ったら……」

「帰る……かな。少し寂しいけどね」

あかりは少し悲しげな笑みを浮かべてそう言った。

どうして……あかりはそんな事を言うの?

あかりはその答えで後悔しないの?悲しくないの?いろんな考えが

頭の中に浮かぶけれど上手く言葉にできなくて

、 あかりの顔を見つめる事しか出来なかった。

すると、 そんな私に気付いたあかりが 少し困ったように笑って口を開いた。

「私は百が大好きだから、だから百がいる世界に行きたいの、百がいない世界なんて考えられないから……」

あかりは真剣な眼差しでまっすぐに私を見つめてそう言った。

私はその言葉を聞いて胸が熱くなった。

嬉しかった。

だけどそれと同時に不安にもなった。

やっぱり私がこの世界に残るって選択肢は無いんじゃないかって思えてきて……

私は一体どうしたら……

私が悩んでいると、玲央様が話しかけてきた。

玲央様はいつものように優しい表情をしている。

そして私の名前を呼ぶ。

その声で私はハッとして玲央様の方に顔を向ける。

そして玲央様はゆっくり口を開いてこう告げる。

「百、俺は君が好きだよ。この世界の誰よりも。

例え百が別の世界を選んでも、その気持ちは変わらない。

百が俺の事を嫌いになってもそれは変えられない事実だと思う」

玲央様はそこで言葉を切って、私の目を見て続ける。

私はその目を見てドキッとした。

まるで吸い込まれてしまいそうなほど綺麗な瞳。

見惚れていると、不意に私の頬に手が添えられた。

玲央様の手は大きくて温かくてとても安心する。

そして玲央様は優しく微笑んで

「俺はどんな時でも君の味方だから」

と耳元で囁いた。

私はその言葉で涙が出そうになった。

嬉しいのか悲しいのか分からなかった。

ただ一つ分かることは、私はこの人のことが好きなんだってこと。

ううん、玲央様だけじゃない……私はみんなが大好き。

だから、後悔しないような選択をしなくてはいけない。

私は決めた。

たとえこの先何が待っていても……

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