幕間6 主要登場人物動向(第十四章~第二十章)・後編
後編となる今回は、オリジン・比留間慎太郎・馬場登志夫の三名の動向と装甲フォームについての解説です!
◎アームドファイターオリジン
オリジンは、突然村に現れた牛島聡と、自分の家で面会する。
そこで、遂に牛島から己の真意――オリジンを排して、自身がオチビトの代表となる――を明かされたオリジンは、協力関係を装いつつも実際は冷戦状態にあった彼と決別し、装甲戦士ジュエル・ブラッディダイヤモンドエディションとなった牛島と激突する。
凝血細剣・そしてブラッディナックルで鋭い攻撃を繰り出すジュエルだったが、オリジンは己の卓越した体術で彼の攻撃を巧みにいなし、ジュエルの事を圧倒する。
だが、ジュエルの放った赫血の雀蜂を数発食らったオリジンは、続けてのブラッディ・ファウンテンで大量に出血させられたが、それでもオリジンの優位は変わらない。
その後、ジュエルの奸計に乗った十一人のオチビトがオリジンを裏切り、一斉に襲いかかってくるものの、オリジンはその並外れた強さと2011年の劇場作品で登場した強化装甲形態“赤鬼神”の力で、裏切った十一人の装甲戦士たちをことごとく倒した。
そして、最後に残ったジュエルと雌雄を決すべく戦い、遂に彼の事を止めを刺す寸前まで追い詰めるが、土壇場でジュエルが創り出した魔石によって、進化フォーム“シャイニーロンズデーライトエディション”を得た事によって、一気に形勢が覆る。
装甲フォームの能力の差、そして、それまでの戦闘で蓄積されたダメージによって、オリジンはジュエルの放ったロンズデーライト・スキューア・ストライクに胸を貫かれて敗北した。
敗れ去り、消え去ったオリジンの装甲の中から現れたのは――1971年に放送されたシリーズ第一作『アームドファイター』で、主人公の本里尊を演じた俳優・檜山豪の年老いた姿だった。
つまり、この異世界のアームドファイターオリジンは、紛れもない“本物”だったのである。
本里は、自分が2024年から堕ちてきたと明かし、これによって、彼が全ての装甲戦士の特徴や装甲フォームに知悉していた事、2011年放映の劇場版限定フォームである“赤鬼神”を知っていた理由が判明する。
そして、牛島たちの事を憐れみ、「お前は最強の装甲戦士なんかじゃない」という言葉を残し、その発言の理由を聞き出そうとする牛島の問いかけにも応えず、静かに逝ったのだった――。
【アームドファイターオリジンの装甲形態】
・赤鬼神……2011年に劇場放映された『装甲戦士ゾディアック&装甲戦士トリック~最強の戦士はこのオレだ!~』で初披露された、初代アームドファイターの強化装甲形態。
元々、1971年から三年近くにも及ぶ『アームドファイター』の中で、アームドファイター (オリジン)の強化フォームは一度も登場しなかった……というより、各種フォームという概念自体が無かったのだ (アームドファイターが複数の装甲を持ち、状況に応じて使い分けるようになるのは、シリーズ第四作の『アームドファイターα』以降である)。
だが、『アームドファイター』放送40周年という節目の年である2011年の劇場版において、久々に初代アームドファイターを登場させるという話になった際に、『初代アームドファイターの強化装甲形態を登場させたら、映画の目玉になるのではないか?』という意見が出され、それが企画会議で通った事が、赤鬼神誕生のきっかけである。
とはいえ、映画の主役はあくまでその年とその次の年の冠番組の主人公である装甲戦士ゾディアックと装甲戦士トリックだった為、初代アームドファイターの活躍に割かれた尺は少なく、赤鬼神の登場も一瞬だった。
だが、それ以降何度もフィギュア化・立体化されるなど、赤鬼神へのファンたちの人気は絶大だった。
……閑話休題。
赤鬼神の装甲は、元々のオリジンの蒼い装甲の上に重ねて装着する増加装甲タイプだった。その為、元の装甲よりも更にマッシブなフォルムとなるが、敏捷性はむしろ上がっている。
もとより武器を使用して戦うタイプではないオリジンの特性は赤鬼神になっても変わらず、特段の武器類の追加は無いが、その代わりに装甲の増加による防御力の増強と、彼が帯び、攻撃のエネルギーとなる“闘氣”の増幅処理がなされており、赤鬼神になったオリジンの能力は実に素の状態の二倍以上となる。
必殺技は、アームドファイター・スーパーパンチ。
◎比留間慎太郎 【装甲戦士ゾディアック】
鍛え上げられた筋骨隆々の大きな体躯と短く刈り上げた髪が特徴の、三十二歳の男。
装甲ユニットである『ゾディアック・ベゼル』に、装甲媒体である星形をした石『スター・ストーン』を嵌め込み、装甲戦士ゾディアックの装甲を纏う。
2012年の年明けすぐの頃から、この異世界に堕ちてきた。
豪放磊落な性格で、細かい事にはあまりこだわらないタイプである。
一見、真逆のタイプに見える青木修太と妙にウマが合い、親友と言えるほどの交流をしていた――が、牛島のクーデターに呼応した際に、その青木の首をゾディアックの武装であるキャンサー・シザースで裁ち切り、殺害した。
オリジンの死後は、オチビトを束ねる牛島に従う――。
【装甲戦士ゾディアックの装甲形態】
・キャンサーモード……“アッタルフ・ストーン”をゾディアック・ベゼルに嵌め込む事で纏う、ゾディアックの基本フォーム。
カニの甲羅を模した淡い紫色の装甲と、左腕に装着した巨大な鋏“キャンサー・シザース”が大きな特徴である。
その外見から分かるように、左腕のキャンサー・シザースを攻防で活用して戦うスタイルである。
・サジタリアスモード……“カウス・ストーン”を使って纏う、ゾディアックの中間フォーム。ギリシャ神話に出てくる人馬一体の怪物・ケイローンを模して、下半身が馬の四肢を模った異形をしている。
大きな弓に番えて放つサジタリアスアローで遠距離から攻撃し、その四肢を存分に活かした疾駆で一気に間合いを詰め、強烈な蹴り技を中心とした接近戦に持ち込むオールラウンダータイプである。
2012年の装甲戦士であるトリックとは、劇場版で共闘した事もあり、ふたりが力を合わせて放つ合技――サジタリアス・メテオ・シャワーも存在する。
◎馬場登志夫 【装甲戦士トリック】
細い目と、痩せぎすの身体が特徴の28歳の男。装甲戦士トリックの装着者である。
2012年の日本から、この異世界へと堕ちてきたという。
強がってはいるが、生来小心者の性格で、あまり人付き合いも得意ではない。
牛島のクーデターに呼応したひとり。
今後は、比留間ら十一人の同胞と同じく、牛島の下につく模様。
【装甲戦士トリックの装甲形態】
・ダズルパート……トリックの基本フォーム。dazzleという名の通り、手品のような鮮やかな手管やフェイントを駆使して相手を惑わしたり、トリックを用いて攻撃を増殖させ、より大きな攻撃としていくスタイル。
その能力を生かし、ゾディアックとの合技であるサジタリアス・メテオ・シャワーでは、ゾディアックの放った矢を無数に増殖させて敵に浴びせかける役目を負う。
必殺技は、トリックアンドキャノンボールなど。
次回から、遂に本編再開となります。
どうぞご期待くださいませ!




