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幻想郷二重創~重なる世界~  作者: 陰猫(改)
第1章【紅霧異変】陰猫(改)Ver.
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第3話【氷の妖精】

 私が湖まで来ると霊夢が追い付いて来た。

「お?霊夢、無事だったか?」

「無事だったか?ーーじゃないわよ!?

 無駄にこっちの攻撃を効かないから、本気を出すところだったのよ!」

「え?お前が本気?

 それって、かなりヤバいって事か?」

「空姉さんが邪気を払い清めてくれなかったら、結構、危なかったかもね?」

「おいおい。それって初心者がいきなり、ルナティックモードやるようなもんじゃないか?」

「なによ、それ?」

「なんでもないぜ。ただの例え話だぜ」

 そんな事を話していると妖精の群れがやって来る。

「ニンゲンだー!」

「やっつけろー!」

 妖精達はそんな事を叫び合いながら、此方に弾幕を放って来る。

 やれやれ。妖精ってのは本当に考えなしで困るぜ。

 私は霊夢と一緒に溜め息を吐く。

「仕方ないな。やるか……」

「そうね。今度は抜け駆けしないでよ?」

 私達はお互いにそう呟くと妖精達の弾幕を避けながら、妖精達を蹴散らして行く。

「魔理沙さん達を舐めるんじゃないぜ!」

 妖精は幻想郷の中でも低級で何処にでもいる。

 下手すりゃあ、里の人間よりも数が多いんじゃないか?

 そんな妖精はぶっちゃけ、弱い。

 ヘマさえしなきゃ、人間でも倒せる。


 ーーとは言え、危ない事には違いない。


 例えるなら、そうだな。

 野犬みたいな所か?


 そんな奴らに負ける魔理沙さん達じゃないんだぜ!

「うわー!」

「やーらーれーたー!」

 妖精達は私と霊夢の弾幕で次々打ち落とされて行く。

 まあ、このくらいは朝飯前なんだぜ。

 それにしても、こんだけ妖精がいるのは珍しい。


 ーーと、そんな妖精達を撃退していると何やら、二人の妖精が言い争っているのが見えた。

 なんだなんだ?仲間割れか?


「チルノちゃん!目を覚まして!」

「たかが、一介の妖精如きが私に説教をするな」

 なんか、様子がおかしいな。

 霊夢も異変を感じて、妖精達に近付く。


 そんな私達を見て、青い髪のチルノって呼ばれた妖精が此方に気付く。

「……来たか、博麗の巫女」

「……あんた、何者?」

 霊夢が問うとチルノと呼ばれた妖精から冷気と共に邪気を放つ。

「貴様等で言う妖精ーーいや、妖魔だ」

「妖魔?」

「そうだ。妖魔は幻想郷の外から溢れ出す邪気を吸収し、妖精や妖怪を更なる高みへと登らせる。

 その一端として、私が力を得た。

 最早、私に敵う者など、いない」

「そう。あんた、馬鹿でしょ?」

「……なに?」

 自分の力に酔いしれるチルノに霊夢がバッサリとチルノを切り、笑みすら浮かべていたチルノは静かに霊夢を見下ろす。

「邪気を吸収したって、あんたは所詮、妖精でしょ?

 力を持て余しているからって吼えるんじゃないわよ」

「貴様、あたいが馬鹿だと?」

 お?私からあたいに口調が変わったな。

 霊夢が言葉で突っついたら、化けの皮が剥がれたんだぜ。

「馬鹿と言ったな?

 最強のあたいに馬鹿と?

 あたいを怒らせるとは良い度胸だ!」

「チルノちゃん!」

「邪魔をするな、大ちゃん!」

 そう叫ぶとチルノが大ちゃんと呼ぶ妖精を裏拳で殴り飛ばして湖に落とす。

 それを見て、私も少しカチンと来たぜ。

「……お前、あの大ちゃんって妖精と友達じゃないのか?」

「うるさい!うるさい!最強のあたいに友達なんて、いない!」

「……そうかい。なら、お前をぶっ飛ばしても問題ないな?」

 私が改良中のミニ八卦炉を向けるとチルノがニヤリと笑う。

「やれるものなら、やってみろ!

 外の邪気を吸った妖魔の恐ろしさを教えてやる!」

「気を付けなさい、魔理沙。

 こいつも邪気を纏っている以上、ただの妖精じゃない筈だわ」

「その通りだ!お前達の攻撃なんて効くもんか!」

 そう叫ぶとチルノが氷の弾幕を飛ばして来る。

 密度が濃い。弾も追尾して来る。

 おまけに此方の攻撃も効かないんじゃ、厄介だ。

「魔理沙。此処は任せるわ」

「はっ!?ちょっーー抜け駆けはするなって自分で言ってたろ!?」

「あんたと一緒にしないでよ。

 私はこいつの邪気を払う事の出来る空姉さんを探して来るから。その間、宜しくね?

 ついでに私の苦労も身を持って知ると良いわ」

 そう告げると霊夢はさっさと赤い館へと向かう。


 やっぱり、そうなるのかよ!?ーーてか、空がなんで、私達より先にあの館にいるんだよ?

「ふははは!博麗の巫女が恐れをなして逃げ出したか!

 やっぱり、あたいがーーいや、私が最強だ!」

 霊夢が飛び去るとチルノが増長する。

「あいつが逃げるタマかよ!

 お前をやっつける為に策を練ってるに決まっているだろ!」

 私はそう叫ぶと魔法の弾幕を放つ。

 霊夢の言う通り、攻撃が邪気に弾かれる。


 ーーこれはもう、弾幕ごっこじゃないだろ!


 それならそれで考えがある。

「お前が強いのは解った」

「ほう。ようやく、解ったか……」

「でも、頭はどうかな?」

 私はそう呟くとチルノにニヤリと笑う。

「1+1は?」

「そんなの2に決まってーー」

「ブーッ!正解は田んぼの田だ」

「んな!?」

「そんなお前にボーナス問題だ。

 1+1で作れる他の漢字を答えてみろ?」

「え?え?ちょっ、ちょっと待ってろ!」

 そう言うとチルノは真剣な表情で考え込む。

 そりゃあ、もう私なんか眼中にない位に……。


 ーーと言う訳で今の内に逃げさせて貰うんだぜ。


 霊夢の話だと空が鍵を握ってるんだったな?


 なら、大ちゃんって妖精にした仕打ちとかが癪だけど、空を探しに霊夢を追うんだぜ。

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