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最強勇者が異世界で社内最弱平社員  作者: 石司授業
ー え、異世界転移って出来るのか? ー
7/8

♯0–5 絶望の果てに

勇者アーサーは二日間監禁され、今は、王の間にいた。


「勇者よ、、、」

「はい、王様」

「何故だ、、、」

「何故、とは?」

「とぼけるな!」

「何故お前はあの様な事をした!?」

「・・・。」

「答えぬ、か、、、」

「もうよい。勇者よ、貴様の功績において、今回は免除してやろう、さぁ、ゆけ次は無い。」

「ありがとう、、、ございます」

ーー街に出ると噂は広まっていたのか、街のいたるところで侮蔑の目を向けられている様な気がした。



しばらく経つと民の悪戯は悪戯と言うには度がすぎる様になっていった。初めは落書きや陰口を叩かれる程度だったのだが、今となっては食物を売らないなどと生活に支障が出るほどとなっていた。幸い、魔法によって餓死などの危険はなかったが、俺のせいでメアリに窮屈な生活を強いるのは居た堪れなかった。そんなある日

「、、、ただいまです。」

「お帰りメアリ、、、どうしたんだよその傷!?」

「いえ、その少し、絡まれてしまいまして...」


その傷は、絡まれてなんてそんな生易しいものではなかった。見るに耐えない火傷に切傷。俺のせいで。俺のせいで。俺が無能なばかりに。俺のせいだ。こんなはずじゃなかった。なんでメアリがこんな目に。あいつは何も悪くない。幼気な少女にこんな事をする屑どもが俺の守った民どもか。許さない。許せない。許さんぞ。屑どもめ。


きっと俺の仲間を失い、弱り切っていた心の隙間に悪魔が漬け込んだのかもしれない。

一心不乱脇目も振らず、俺はギルドに駆け込んで、片っ端から潰していった。


「....勇者よ、我もこんな事は言いとうなかったが、、、選べ。ここで死ぬか、二度と立ち入らぬか。これはわしの意思ではない。全国民の意思なのだ。選べ勇者」

ふざけるな。なぜ俺がこんな奴らのために死ななければならない。むしろあいつらの代わりにおまえらが死ねば良かったろうに。

「さらばだ、王」

こうして俺はこの国を追放された。

憎きことにも、この時には王は勇者を盾に国の支配力を高め、他の四ヶ国をもまとめ上げていた。そんな中で追放された俺には何処にも居場所なんかなく、遂には果ての山脈にある小さな里にたどり着いたのだった。

そこで暫くは素性を隠し暮らしていたのだが、そこにすらも居場所はなく、遂に正体がばれて、その里すらも追い出されてしまった。

泊まるところはなく途方にくれ、遂には野宿生活を送る事になった。野宿生活が始まり、半年と経たんとした頃だろう

「随分と落ちぶれたな勇者よ」

「誰だ」

「顔を見向きともせず言いおって、ワシじゃよ勇者」

「....なんだ、ロリババアじゃないか」

「なんじゃ相変わらず口だけは達者じゃの」

「何の用だ」

「噂は聞いておったのでのぉ、少し見に来たのじゃ、、、心配して頼みに来る者もいるんじゃよ」

「そうか、ならもういいだろう」

「いや、まだ来たばかりじゃろうが」

「しらん。帰れ」

「年寄りは尊むべきよ」

「見た目は幼少だろうに」

「それを言ってはおしまいよ」

「さぁ、話は終わりだほっといてくれ。もう俺は疲れた。全てどうでもいい」

「...それは、本当か?」

「あぁ、この世に未練などない」


『ーーなら、この世から去るか?』


「なるほど、死ぬのも悪くない」

「む…言い方を変えようか、”別の人生”を歩んでみる気はあるか?」

「転生か、出来るならしたいかもな。今度はもっと肩の荷の軽い、自由で生きがいのある人生。送ってみたいものだ」


ここが、おそらく俺の旧人生最大のターニングポイントだったのだろう。


「いいじゃろう、別の世界に送ってやろう。飛び切りの魔法でな」


「送る.....?

ーーえ、異世界転移って出来るのか?」


いやぁ!遂に0章完結です!長かった、本当に。最初は3話ぐらいで次章いくって予定だったのに随分と伸ばしてしまいました笑何はともあれ次回から新章!ここからが本番!ストーリーのギャップに驚かないでくださいね!?それでは!

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