♯0−1 終わりの記録始まりの前章
この話は本筋に入る前の物語です。
より物語にはいりやすいようにするための話なので、「焦れったい本編がみたい!」と言う方は一気に飛ばして次の章へ行ってください笑
初回ですが、今回は短めです
傷ついた体、霞む視界、構えるだけで血が滲む。
此処まで登り詰めることができたのは、
此処で倒れずにいられるのは、
間違いなくあいつらが居たからだろう。
僧侶、賢者、そして戦士。あいつらのおかげで俺は奴と対峙できている。
「どうだ、、、勇者よっ、、、辛かろう?吾の呪術を喰らって五分と立てたものは今の今まで存在せんかった、、、貴様がはじめてよ、、、」
ーっまずいな、奴の言う通り、先に受けた呪術が今この絶命的な状況を生み出している。このまま拮抗した状態が続くと、俺が先に倒れることになる。
だが、あいつらの為にも絶対に負けることは許されない。ここで畳み掛けて相討ちになろうとも倒さなければ。
幸い、奴も相当な手傷を負っている筈だ、俺の全力をぶつければ、倒すことも出来る。
この攻撃に、、、賭けてみるか、、、
「くらえぇっっ魔王ぉ!!!エターナルサクリファイス!!!」
九つの魔素を聖剣を介して奴に打ち込む
魔力障壁を構築するには今の奴の体力では厳しい。
「ぬるいわっ」
ー来たっ、術を使わずに押しのけると確信していたぞ魔王!!!
「くらえっ、とどめだぁぁぁぁあ!!!」
「っっぬぐ」
聖剣が奴の胸元に突き刺さる。これで、最後の心臓の息の根を止めることができたはずだ。
「終わりだ魔王、、、お前の行き着く先は無の他無い。」
「ふっ、、、ぐふっ、、、まだだぞ、勇者よ、、、終わらぬ、、、終わらぬぞ、吾が消えようとも消して終わらぬ、、、この世の闇が消え去ることはないのだからな、、、さらばだ、勇者…」
ーーーその日、世界から魔王は消え去った。
禍々しい光とともに消え去り、世界を覆い尽くしていた闇はまるで存在すらしてなかったかのように跡形もなく消え去った。
「やった、、、のか?」
そんな独り言は禍々しかった空間に反響を繰り返して消えた。返すものはいない。冷め始めている大理石の上に立つのは、勇者ただ一人だった。
今回から始まる章は、なぜ勇者が日本に来たのかを示すプロローグのようなものです。つまるところの第0話ですね
どれだけ続くかわかりませんが緩くやって行こうと思います。よろしくお願いします