ミドル9 マスター 医者と学園長
マスターシーン
同時刻、カシオペヤのとある病院
ドクターは自身の診察室へと入って患者を待とうとする。
しかし、そこには先客がいた。決して無視できない程の強大な力を持った女性が一人、ドクターに純粋な殺意と怒りを向けて立っていた。
ドクター:「おや、君自身が出張ってくるとはね。部下は使わなくていいのかい?」
朱硲夕音:「愚かな熱病に侵された裏切り者が出た直後に別の部下を使うのはちょっとリスキーだと思わない? その部下まで熱病が回っていたら大惨事よ」
朱硲夕音、リエゾンロードにしてカシオペヤの学園長。間違いなくこの学園都市の頂点に立つ女である。
ドクター:「なるほど、確かに道理か。それで……私に何か用かな? 午後の診察もあるから、手短にしてくれるとありがたいんだが?」
朱硲夕音:「……どうしてあの子に、朱硲静奈に記憶のことと自分の身体のことを伝えたのかしら?」
ドクター:「それは勿論、彼女が私の患者で。患者がそれを望んだからさ」
朱硲夕音:「勘違いしないで頂戴。貴方はあくまで“五つ星”のメンバーで私の部下なのよ? こちらの想定していないことをされたら困るじゃない」
ドクター:「君こそ勘違いしないでくれ。私の最優先は患者だ。確かに君と契約し、このカシオペヤで人を救うために五つ星の地位を貰った。コードネームの『ハート』に恥じない働きはしてるだろう? 君に指示されたことをしっかりとこなしている。君を裏切ったわけじゃない、その証拠にほら『朱硲静奈は記憶の外部干渉』を受けているとは教えたが『それを朱硲夕音の指示で実行していた五つ星はドクターである』とは伝えていないだろう?」
朱硲 静菜:「……詭弁ね。どうせ最終的に辿り着ける道筋は提示したのでしょう? 自分の口で言わなければセーフ、なんて甘いにも程があるわ。全く、貴方といいカルロスといい郡堂一真君といい……どうして皆私の思う通りに動いてくれないのかしら?」
ドクター:「君はよくやっていると思うよ、リエゾンロード」
朱硲夕音:「黙りなさいクソ医者が。ったくもういいわよ、どうせ今回の一件で静奈は真相の一端を掴むわ。それを突き付けられて尚あの子が理性を保っていられるかは博打ね。ホント、最悪だわ……」
ドクター:「心労お察しするけどね、働き過ぎは体に毒だよ。そこのベッドで休んでいくかい?」
朱硲夕音:「本当にぶっ殺すわよ!?」
GM:シーンエンド
朱硲 静菜:ドクターが五つ星で静菜ちゃんの記憶弄ってた犯人なの!?
郡堂一真:割と大事な情報がサラっとマスターで明かされたぞ!?
藤崎優一:ほへー、なるほどねー