ミドル12 マスター ありふれた悲劇と世界の変革者の産声
大変お待たせ致しました!!
ようやく教育実習が終了しましたので、今日からカシオペヤの投稿を再開します!!
今回はクライマックス前ラストのシーン。何故、宮之城千春は世界の変革者となったのか? です!!
GM:じゃあマスター挟んでクライマックス行こう。
FHが統治するこの世界は落とし穴の様な嘘で塗り固められた理想郷だ。
確かに、UGNが真実を隠していた頃よりはずっと良いだろう。だが、正しくはない。宮之城千春を始めとするエレガント♡ガールズ達は元よりのオーヴァードだったが、その真の意味を理解したのはノーブル学園に入ってからだった。
千春には非オーヴァードの友人がいた。少し怖がりだったが優しい子だった。千春が幼馴染の秋達と共にノーブル学園のPRの為にスクールアイドルを始める、と相談した時には『エレガント♡ガールズ』の名付け親になってくれる等陰ながら支えてくれていた。
そんな友人が、カシオペヤのカリキュラムの中でオーヴァードに覚醒した。当然、千春も秋達も喜び合った。この世界ではオーヴァードと非オーヴァードの間には明確な差別があるからだ。オーヴァードにとっては楽園の様な世界だが、非オーヴァードにとっては生きづらい事この上ない。常に世界に抑圧され続ける様なものだ。そんな中でのオーヴァードへの覚醒はまさしく、これから先の明るい未来が約束されたも同然だった。
だが、その友人はFHによって隠された『ジャーム化』を知らなかった。知らぬままに時を過ごし、千春や秋達もまた不用意に教える事が出来なかった。千春達の様に四年前のUGNクーデター以前からのオーヴァードにとってはジャーム化等当たり前の知識だ。しかし今の世界ではFHによって真実が隠匿され、ジャーム化の存在を知らせる事は暗黙の了解で禁止されていた。更に友人は覚醒直後でレネゲイドが不安定な状態だ。秋達と相談の上で千春は『説明するタイミングをレネゲイド安定まで見送る』という決断をした。
宮之城千春:「……これは、仕方の無いこと。大丈夫ですわ、ちゃんとお伝えします。ただ『今は』見送る……それだけです」
だが、千春のこの決断は最悪の結末を迎えることとなる。覚醒から暫く経った頃、友人はカシオペヤの暗部が関わっている研究の実験体に選ばれ『ジャーム化』の真実を知ってしまったのだ。『ジャーム化したオーヴァードの効率的なコントロール手段の確立』そんな馬鹿げた研究の為に千春の友人は誘拐され、実験体として最悪の形でジャーム化というものの真実を突きつけられたのだ。そして心が真実に耐えきれず、友人はジャーム化し自身を誘拐した暗部の研究チームを壊滅させ更にカシオペヤの一角で暴れた。
千春が事態に気がつき友人の元へ駆けつけた時には全てが手遅れだった。自分以外の全てを敵と思い込み、炎と雷をまき散らしながら一般生徒達を相手に暴れまわる友人の姿を見た時千春は己の過ちを悟った。
結局千春はその友人を殺す事で、暴走を止めた。暴走に巻き込まれた多くの人を守ってみせたのだ。他に取り得る手段なんて無かった。大切な友人を助けることが出来なかった。友人の返り血で体を濡らした千春は喉を引き裂く様な慟哭と共に決意する。
宮之城千春:「…………こんな悲劇が起きる世界、認められませんわ」
それが世界の変革者を産んだ悲劇。世界にありふれた闇の一端だった。
GM:シーンエンド
群堂一真:本当にどうしようもないな
朱硲 静菜:どんな世界でも悲劇なんて起きちゃうけどね……
GM:んじゃ、クライマックスいこうか?




