ミドル9 マスター 怪物の産声
GM:次がミドル最後のシーン……の、前に一個マスターが入ります
藤崎優一:お、了解
GM:PC達が『珠空真を救う』という目的を共有し、朱硲静菜がライオネルを敵と見定めた頃
GM:ほぼ同じ時間、《彼女》もまた真相にたどり着いていた
GM:そして月見ヶ里高校新聞部部室。部活棟の一角にあるこの部室に今いる部員は二人だけだ。強い西日が差し込む部屋の中で、一人は明確な憎悪を持って睨みつけもう片方はそれを飄々とした様子で見ている。
GM:バンッ、と強く机を叩く音が響いた
球空真:「どういう、事ですか……部長!?」
ライオネル:「どういう事か、とは……君の今語った有力者連続襲撃事件についてかな?」
球空真:「そうです……!! 私が、犯人で、部長が……仕組んだって! どういうことですか!?」
ライオネル:「君の調べた通りだ。俺には俺の目的があって、都合良くレネゲイドについての知識が浅く、能力の研究も進んでいない君を利用させてもらった。《分からない》が多ければ多い程、本当に深刻な問題には気づけないものだからな」
球空真:「な…………ッ!?」
ライオネル:「その点で言えば、君はとても好都合だったんだ」
ライオネル:「《五つ星》を表舞台に引きずり出す為の格好の餌になってくれた」
球空真:「ふ……ふざけないでッ! ライオネルッ!!」
球空真:ドンッ! と部室にある備品が吹き飛ぶ。真の精神の昂ぶりに呼応し暴発した念力のせいだ
ライオネル:その様子を見て、ライオネルはやれやれを肩を竦めため息をつく
ライオネル:「……だが、残念ながら俺の企みもここまでか。君以外にも、真相に気づき始めている連中が居る。失敗したんだよ、俺は」
球空真:「…………え? まさか、それって朱硲さん達……!?」
ライオネル:「ああ、だから最後の悪あがきだ」
球空真:「な、何を……?」
ライオネル:ライオネルはここでEロイス《歪んだ囁き》を宣言
ライオネル:珠空真のロイスを書き換える
GM:朱硲静菜 P:親近感/N:恐怖● → P:親近感/N:絶望●
朱硲 静菜:私のロイスかーいwww
GM:され、それでは書き換えの描写を続けよう
ライオネル:「さて、そろそろ仕込んだナノデバイスの暴走誘発の頃合だ」
ライオネル:ライオネルの言葉と共に真が苦しみ始め、念力の制御が一気に乱れていく
球空真:「ぅ……ぐ、ああッ!?」
ライオネル:「君は知らないだろう。『ジャーム化』というものを、衝動に飲み込まれたオーヴァードがどうなるのかを」
球空真:「な……何を、言って……うぐぁぁッ……!」
ライオネル:ライオネルは一枚の写真を真に見せる
球空真:「あ、ぐ……ああッ……!?」苦しみながらも、反射的にその写真に視線を向けてしまう
球空真:それは有力者連続襲撃事件の最中でライオネルが撮った一枚の写真
球空真:『殺戮』の衝動に飲まれ、衝動のままに破壊の限りを尽くす珠空真が……笑みを浮かべながら人を殺している写真だった。
藤崎優一:写真の使い方が最低だ()
朱硲 静菜:悪趣味かよ!!
群堂一真:GMお前、このシーンやりたくてライオネルのモチーフ《カメラ》にしたんだろ!
ライオネル:「……なあ、こんな《怪物》が元に戻れると思ったか? 助かると思ったか?」
球空真:「ぁ……あああ……!」
GM:自分の心に亀裂が入る音が、真には確かに聞こえた。それは今までの暴走なんて生温い、まさに破滅へのトリガー……自分が自分でいられなくなる、自分に帰る場所が無くなる、それは正しく絶望そのものだった。
ライオネル:「手を差し伸べてもらえるわけ、ないだろう? 化物が。ふふ、ははは!!」
球空真:「うう……ああああああああああッ!!!!!」
球空真:真の喉を引き裂いく様な絶叫と共に、月見ヶ里高校の一角が文字通り消し飛んだ。
GM:シーンエンド




