マスターシーン 堕星
GM:それじゃあ次、クライマックス前のマスターシーン入ろうか
GM:外装リアクターは手に入れた。
郡堂一真はFHと己の欲望を棄ててでも朱硲静菜を選んだ。
全て、全て自分の主である朱硲夕音の計画通りに進んでいる。
五つ星の最終目的、世界を救うために確実に前進している実感がある。……だというのに。
剣城聖羅:「う、あああ……ッ!!」
剣城聖羅:何故こんなにも、胸の内に処理出来ない激情が渦巻くのか。聖羅は産業開発区間にあるセーフハウスに続く路地の壁を力任せに殴りつけた。
四年前のUGNクーデター、聖羅の運命が大きく動いたあの日からの全てが一瞬でフラッシュバックしていく。
剣城聖羅:「ああ……そっか……」
剣城聖羅:自然と大粒の涙が零れていた。
剣城聖羅:「私、不安だったんだ……半端者の私が夕音様の元で世界を救うために戦い抜けるのか。……だから、夕音様の計画に外れることでも郡堂一真君……貴方に隣にいて欲しかった」
剣城聖羅:「そして……もう一度、私が臆病風に吹かれて逃げた四年前のやり直しをしたかったんだ」
剣城聖羅:「ああ……なんてザマ……。私って、ほんと馬鹿……」
剣城聖羅:くだらない感傷に気付いたとして、聖羅がやるべきことに変わりは無い。彼女は、愚かだがそこに迷いを挟むほどに弱い人間でも無かった。自分の傷など押し潰して、世界の為に戦うだけだ。
朱硲 静菜:惚れてたんかな……?
GM:そうして一歩踏み出した所で、曲がり角から掛けてきた小学生くらいの青髪の女の子とぶつかってしまう。
青髪の女の子:「きゃあッ!? うぅ、痛いよぉ……」
剣城聖羅:「あ、ごめんなさい。大丈夫? ちょっと擦りむいちゃったわね……待ってて消毒スプレーと絆創膏持ってるから……」
GM:元UGNとしての性か、一瞬聖羅は自分が任務中であることを忘れ足を擦りむいてしまった青髪の女の子の手当てをする。
青髪の女の子:「わぁ、ありがとう紫のお姉ちゃん!」
剣城聖羅:「ええ、気を付けて帰ってね」
GM:聖羅は手を振りながら去る青髪の女の子を見送る。しかし、彼女は気付かなかった。
GM:そもそも、この産業開発区間は小学生の子供が普通来るような場所ではないということを・
GM:シーンエンド
朱硲静菜:おい、今の誰やねん!!
GM:え? 通りすがりの青髪の女の子
朱硲静菜:怪しすぎるんだけど!?