桃太郎よ神話になれ
中学二年生が書いたような小説。
むかしむかし、天地が開闢して間もない、神代や国産みの時代よりも更に大昔。
在る所に、翁(始たる者)と嫗(終なる者)が存在ました。
翁(始たる者)は、閻魔と供にシヴァを狩りに、嫗(終なる者)は、カ・ワーへ選択を迫りに往きました。
嫗(終なる者)がカ・ワーへ恭順か対消滅か問うていると、カ・ワーより遥か数億光年先から、茫漠足る桃色の概念が
『doom!black out!
doom!black out!』
と呪詛を撒き散らしながら空間を削り取って邁進してきます。
嫗(終なる者)は対神用神術:愚神礼讃を展開し、右の腕より『空即是色』を放つと、茫漠足る桃色の概念は、そのエントロピーを収束させ質量を持つ物体へと堕しました。
同時に左の腕より放った『グングニル』にて物質の時間軸を固定し、此処に於いて、茫漠足る桃色の概念はその神性を永久に棄却することになりました。
因みに、この時必要となった莫大なエネルギーは、カ・ワーから強制的に徴収する形になりました。(カ・ワーは対消滅しました)
そして次の瞬間、ある一箇所に存在しながら同時にあらゆる全ての空間に存在する翁(始たる者)が、第11次元すら斬滅する宝刀・殺神を用いて“『茫漠足る桃色の概念』で在ったもの”へ、その凶刃を振り下ろしたのでした。
宝刀は“『茫漠足る桃色の概念』で在ったもの”の途中まで減り込むと、その勢いを止めました。
次の瞬間!
「天上天下唯我独尊!」
可愛らしい男の赤ん坊が、宝刀を額で受け止めて生まれ堕ちたのです!
宝刀を赤ん坊が受け止めたことで、翁(始たる者)と嫗(終なる者)は、此れが摩訶毘盧遮那仏の戯れと言うことを含め、その計画全てを理解しました。(この『全て』を理解と言うことは、宇宙の理『全て』を理解したと言う事です)
翁(始たる者)と嫗(終なる者)は、この
《“『茫漠足る桃色の概念』で在ったもの”より生まれ出でしもの》を桃太郎と名付けました。
次の瞬間、桃太郎は自身が持っていた天賦の才の全てを投げ出し、多神教の神程度であれば瞬きで殺せる程度の年齢まで強制的に成長しました。
「お爺さん、お婆さん。
私は鬼ヶ島へ行って鬼を退治してきます」
明らかに過剰戦力なまでの成長でしたが、大日如来の考えを完全に理解した翁(始たる者)と嫗(終なる者)は、その提案に、静かに頷きます。
翁(始たる者)が宝刀を虚空に向かって振り下ろし、その亜空間から『日本一』と記載された旗印を取り出しました。
因みに『日本一』とは『大日如来の意向を最も汲み取る者』と言う意味です。
嫗(終なる者)は『完全な無』から『揺らぎ』を起こすことで吉備団子を産み出しました。
こうして桃太郎は、宝刀・殺神を左の腰に、吉備団子を右の腰に。
そして、『日本一』の旗を背中に背負って鬼ヶ島に鬼退治に往きました。
桃太郎が鬼ヶ島へ向かっていると、犬と猿と雉が現れました。
ケルベロスの群れを噛み滅ぼし尽くした犬と、孫悟空の群れを引っ掻き屠り尽くした猿と、ワイバーンの群れを啄み殺し尽くした雉は、桃太郎との彼我の圧倒的力量差に絶望しました。
屈辱の生より名誉ある死を選んだ3匹が、桃太郎へ特別攻撃を掛けようとしたその瞬間。
桃太郎は、腰につけた袋から、吉備団子を取り出したのです。
全ての生き物の本能を木端微塵にする程の、暴虐的に甘美なる芳香が辺り一面に立ち込めました。
吉備団子の薫りを嗅いだ3匹は、理解しました。
つまり、自分達が今まで、家族のため、仲間のために、血反吐を吐くほどの苦痛に耐え、幾つもの死線を潜り抜け、命を懸けて努力を積み重ねてきたその理由は。
全ては、此処で吉備団子に出会い、その身の全てを捧げて永遠に絶対服従し、今までの自身の生き様を完全に台無しにするためだったのだと。
「「「桃太郎さん、桃太郎さん。
お腰につけた吉備団子、ひとつ私に下さいな」」」
3匹の誇り高き獣が死に。
3体の奴隷人形が新たに産み出されたのでした。
こうして桃太郎と肉人形達は、鬼ヶ島へ到着しました。
ちなみに、鬼の戦闘力がミジンコくらいの大きさだとすると、犬、猿、雉のそれはティラノサウルス程度、桃太郎のそれは銀河程度の大きさです。
さっそく、犬はケルベロスを滅ぼした牙で噛み付き、猿は孫悟空を屠った爪で引っ掻き、雉はワイバーンを殺した嘴で啄んで鬼を攻撃し始めました。
もちろん3匹の通常攻撃は全体攻撃で二回攻撃です。
更に、犬は100%で狂犬病の状態異常を。
猿は100%でエボラ出血熱の状態異常を。
雉は100%でトリインフルエンザの状態異常を起こす能力も持っていました。
こうして鬼ヶ島の鬼達は全員が、犬に2回噛み付かれ、猿に2回引っ掻かれ、雉に2回啄まれた後、狂犬病とエボラ出血熱とトリインフルエンザを発症して、刹那の拍子で絶滅しました。
桃太郎が、死屍累々とした鬼ヶ島の奥へ足を踏み入れると。
そこには。
煌々と光を放つ、一本の竹が在りました。
桃太郎が宝剣・殺神で薙ぐと。
次の瞬間!
「天上天下唯我独尊!」
可愛らしい女の赤ん坊が、宝刀を額で受け止めて竹の中から生まれ堕ちたのです!
生まれ堕ちた赤ん坊を、桃太郎は輝夜姫と名付けました。
次の瞬間、輝夜姫は自身が持っていた天賦の才の全てを投げ出し、多神教の神程度であれば瞬きで殺せる程度の年齢まで強制的に成長しました。
この後、桃太郎と輝夜姫は交配することとなります。
輝夜姫の女陰からは、那由多を超える宇宙が産み堕とされ。
その事実は、それら全てが計画通りであった摩訶毘盧遮那仏を大いに楽しませることになるのですが。
それは、また。
別の、話。
創世記、創世記。
他にも変な童話書いてます。
ゴブリン売りの少女
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NIOさん(植物)
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クリスマスはもともとイエス・キリストの誕生日では無くサタンとか異端の神々を祝うお祭りが起源と言う説があるなんてトリビアとは全く関係ない冬童話2016のために書いたチビで泣き虫のサンタさんが頑張る童話
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