6-3
ちょっと頭が真っ白になった。改めて確認する。そう、深呼吸、深呼吸が必要だ。
よし。うん……種族欄が銅色に人間って光ってるな。
え? 何? どういうこと? 種族ってランクアップ? レベルアップ? するってこと? 便宜的にクラスアップっていっとくか? どうすればいい? 頭がフットーしそうだよぉ!
さすがにこんなことは初めて過ぎて混乱する。こういうときはメイがいれば頭殴って心を落ち着かせられたのに。パニクったやつが横にいれば、自分は冷静になれるってものだ。役に立たない奴隷め。
ひとまずメイには罰が必要だなと思考を逸らすと、少し冷静になれた。
ううん……それにしたっておかしい。種族がクラスアップしたとして、それでここまでレベルは上がらないはずだ。きっとそう。というかレベルって上がるんだろうか?
それ以外の要因として考えると、やはり魔王の種子が芽吹いたためにレベルが上がったと考えた方が正しい……はず。
それに伴ったのか、はたまた偶然か。俺の人間という種族までもがクラスアップした。そのため、ここまで脅威的なくらいステータスが上昇したと考えた方がいいだろう。
実際、先日メサイアと戦ったときも約四〇〇レベルまで一時的に上昇していた。今はそれより上の四二〇レベルだとしても、あんまりなステータス上昇量だ。あのとき確認していなければ気付かなかったな。
それに四二〇レベルのはずなのに、以前でいう四七〇から四八〇レベルくらいのステータスになっている。まあよく覚えてないから、たぶんなんだけども。
「えー、なにコレー。俺の身体に何が起こってんの? ちょっと我ながらキモい……」
「さっきから何ワケわかんねえこと言ってんだよ。それより、これからどーするってんだ?」
そうだそうだ。そっちの方が大事だった。よく気付かせてくれたな。褒美をやろう。
「えい」
「胸を揉むなっ!」
ふふん、甘い甘い。今の俺のステータスならそんな攻撃を躱すことなんざ余裕過ぎるのだよ。
「――っお?」
がくん、と身体が傾く。咄嗟に下を見ると、身体を丸めた何者かの姿があった。どうやら俺はそいつに引っ掛かってしまったらしい。
「のおおおおおおおっ!?」
受け身はとれたが、勢いは殺せなかった。そのまま斜面に沿って転がり落ちていく。やがて止まるが、思いっきり間抜けな体勢になってしまった。
「…………バカか、おまえ」
ざざー、と斜面を滑り降りてきたテッサは酷い一言を放ってくる。俺、おまえの主人なんだぞ……もっと気を遣って喋れ……。いくらレベルが上がって身体が強くなっても、心までは強くならないんだぞ……。
「いてて。それにしても、おい。あいつ取っ捕まえて来い」
「あん? うお、なんだあいつ……」
俺がつまずいたやつをテッサに捕まえるよう指示する。
依然として頭を抱えて丸まったまま、微動だにしていない。いや、ガクガク全身震わせているから、動いてないわけじゃないか。
「狐面族じゃないか? ほれ、行ってこい駄犬」
「誰が駄犬だっ!?」
「じゃあ忠犬に昇格してやるから」
「犬扱いをやめやがれ!!」
がなりながらも素直にテッサは狐面族の何某を取っ捕まえに歩いて行った。なんとなく悪魔が面倒を見ている気持ちが理解できた気がする。
その場に座ったまま待っていると、テッサが片手で何某の襟首を掴んで引きずってこっちへやってきた。
「何その運び方」
「喋りかけてもうんともすんとも言わねえし、動かねえんだ。しゃーねーだろ」
ふん、と鼻息荒く何某を俺の方へ放り投げてくる。そして腕を組んだかと思うと、苛ついているのかざすざすと斜面に爪先を突き入れ始めた。どうも気難しい年頃のようだ。放置しておくに限る。
「おーい、喋れるかー?」
「……………………」
「無駄だってんだろ。あたしも散々話し掛けたんだからな」
「いや、おまえの場合脅迫したの間違いだろ?」
「ああんっ!?」
びくぅ、と何某の身体が一際大きく震えた。
「ほれ見ろ」
「ケッ! 意気地なしの相手なんざしてられっかよ! じゃあアレか? お優しく相手さしあげれば良かったんですかあ!? ごめんだ、あたしには似合わねえ!」
まあたしかに、似合わない。常に語尾は吐き捨ててる感じだものな。
俺はテッサと違って優しいので、きっとこの何某も心を開くであろう。
「おうい、なんとか言えー?」
「……………………」
「五秒以内に反応しないと殺す」
「はいいいいっ!!」
「一番短気じゃねーか……」
立ち上がらせると、まだビクビクしている。両手の指と指を忙しなく合わせているし、たぶん仮面の向こう側では眼球が凄い早さで右往左往しているのだろう。
「俺の敵じゃないなら殺さないよ。信じてくれていい」
「どうやって信じろっつーんだ……?」
「信じないなら、後で殺す」
「信じます! 信じますから殺さないでください!」
「ほら見ろ。信じたぞ」
「いや、信じてるっつーか信じてないっつーか……もーいーや」
まあ、これだけ俺にビビってるなら敵対しようとか思うまい。
「名前がわからないから面倒だな。名前はなんて言うんだ? ちなみに俺は名前をわけあって言えないから『欠落』って二つ名で呼んでくれ」
「さっきからおまえ、あたしに突っ込み入れさせたいだけだろ実は」
あ、バレた。だってメイとかエミリーとか違う突っ込みだから、こっちもボケ甲斐があるのだもの。そりゃあ張り切ろうってものだ。
「こっちはテッサ。俺の下僕」
「下僕じゃ……ぐぎぎぎぎぎっ!!」
凄いスピードでまた斜面に蹴りを叩き込み始めた……。何某がビビってまた超振動し始めたので、手を引っ張って少し離れることにする。
それにしても下僕が嫌ってことは、これはもう性奴隷とストレートに呼んでしまうべきか? それとも玩具っていうべき?
「で、おまえの名前は?」
「ぼ、ぼぼ僕はヘータといいます……」
ヘータね。よくわからん名前。狐面族ではこういう名前なのかな?
「ヘータはさっきの連中と一緒だったのか?」
「は、はははい。あああああでも殺さないでくださいお願いします死んでしまいます」
そりゃあ殺したら死ぬわな。いやいや、殺さないって。話を聞きたいだけなんだから。
困ったな。こういうときにメイとかエミリーがいれば落ち着かせてくれるのだが。なんで必要なときにいないんだあいつら。これはもう厳罰だな。折檻が必要みたいだ。俺の奴隷の自覚がないとしか思えん。
「おまえへの苛立ちはそこのテッサとか、別の奴隷にぶつけるから安心していいぞ」
「はい……。そ、それ、安心していいんですか……?」
「ああ。大安心だ。俺が言うんだから信じろ。信じないなら——」
「はははははい! 信じます! 信じますからっ」
困ったな。さっきから話が一向に先に進まない。というのも、ヘータが俺を恐れ過ぎているのが問題だ。
そりゃあたしかに俺は時々後光が射すくらい神々しい存在だから気持ちはわかるが、だからといってここまで平伏されるというのもな。
ここはひとまず話を逸らしてどうでもいい会話をし、俺が危害を加える存在でないと理解させた方がいいか。少なくとも対話可能な人間だと理解させなければ。
「ヘータって声が高いからわからないんだけど、男だよな?」
「は、はい……。周りからはナヨナヨしてるから、女っぽいって言われます……」
たしかに。全面的に周りの連中に同意する。まあそういう男がいてもいいと思うけど。テッサみたいに荒々しい女もいるわけだし。
……ん? これはヘータに言った方がいいか?
嘆息し、少し屈んで視線を合わせた。
「まあ、そういう男がいてもいいだろ。中には男勝りな女もいるしな」
「そ、そうですかね……?」
「その代わりになるような特技とかがあればだけどな? ひとつくらいないか? 自信を持てるようなもの」
「……………………ないです……」
「…………そっかー。……ないかー」
困ったな。話が途切れてしまったぞ。ここは話を逸らすに限る。
話を逸らすに逸らし過ぎて一周しないといいな。
「その仮面、何なんだ?」
「こ、これですか? タヌキのお面です……」
いや、それは見ればわかる。
「なんか意味あるのか?」
「ぼ、僕たち狐面族は、家柄とか、身分とか実力とか……そういうので、何の動物のお面を被れるか決まるんです」
「ははあ、なるほど。面白いな、それ」
要するに冒険者階級プレートみたいなものなわけか。そしてそれを一族全員が装着しているわけだ。
「名前から考えて、一番上が狐なわけか?」
「は、はい。それで……タヌキが一番下です……」
「そ、そっか……」
駄目だ。話を逸らしたつもりが戻ってきた。なんというブーメランだ。
いや、待て。俺は出来る子。頑張ればなんとでもなる。俺に出来ないことなんて何もない。
「けど、おまえ身体小さいし。まだ子供だろ? 将来はどうなるかわからないだろ」
「……成人してます……レベルも、才能限界に引っ掛かって……」
「…………完全に行き詰まっちゃったか……」
一応義眼のスキルで確認する。レベルは三九で才能限界を示している。タヌキだけに俺を化かそうかとしているのかと思ったが、どうも本当のことのようだ。
魔族なのに……不憫な……。このステータス、下手すると白金や黄金どころか銀階級の冒険者と一騎打ちしても負けるぞ。魔族なのに……。
「狐面族はみんな身体が小さいとか?」
「それは、家系によって変わります。……僕の両親は二人とも小さくて、けど僕は両親のどちらよりも小さいんですよね……」
なんなんだ、こいつ! この世すべての不条理を背負ったかのようなやつだな!
ちょっとくらい俺の努力に報おうとは思わんのかね!?
「さっきはなんであんなとこにいたんだ?」
「それは……『欠落』さんがみんなの魔法を弾くので、横から近付いて攻撃して来いって言われまして……」
「ああ、なるほど……」
たぶん、ヘータは自分でも気付いているのだろう。
彼は捨て石にされたのだ。横から攻撃しようとしても、彼の攻撃力では大した効果はない。ただ、横に注意を逸らせれば御の字。失敗したら死ぬことになるが、死んだとしても大した痛手ではない。
けれど、俺はそこに光明を見出した。この方向でなら多少俺を信用させられるだろう。
「……おまえ、悪運はあるじゃないか」
「へっ?」
にやりと笑い、頭を軽く叩く。それでまたビビられても困るので、意図的に声のトーンを上げて朗らかに告げる。
「だって、おまえが連中の中にいたら俺の魔法で苦しんで死んでたぞ?」
「く、苦しんで……ですか」
「ああ。ものすごーく苦しんで死んだはずだ。けど、そうはならなかった。おまえは今生きていて、連中は死んだ。なら、それはおまえが勝ったってことだよ」
ヘータがビクッとする。しかし、今度のそれは今までのものと違う。
「勝っ、た……? 僕が、ですか……?」
「ああ。だって死んだら負けだろ。そこで終わりなんだから」
言いつつ、連中が消え去った後、枯れてしまった草原部分を指差す。
「あいつらはもう何もできない。けど、おまえは生きてる。レベルは低いし才能限界はきてるから、できることは限られてるかもしれない。けど、自由に何でもできるぞ」
「僕、は……自由……」
おお、よしよし。割とうまいこと誘導できてるみたいだ。
この調子で情報を引き出していこう。
「何言ってんだか。何もできねーだろ、そいつ。弱いんだし」
おのれテッサ! 何馬鹿な発言してやがる! 人の努力をなんだと思ってんだ! ヘータは褒めるとこなさ過ぎて困ってるんだぞ!
「弱いってのは罪だよ。そんで、罰だ。だから何もできない。何も残せない。存在してる意味さえ……ない」
「…………?」
テッサは能面のような顔で、俺でも、ヘータですらなく、虚空を眺めながら言う。
なんかそれが「わたし悟っちゃってます」みたいな感じでムカつくな。おまえがしていい顔じゃない。
おまえは狂犬らしくわんわん吼えてりゃいいんだよ。
「馬鹿か、おまえは」
「は……あ?」
あまりにアホらしくて、一刀両断してしまった。ついでにヘータの頭もペチーンと叩いておいた。知らん間にテッサの言葉でまた沈んでいたからだ。
一生懸命持ち上げたんだから、そう簡単にまた落ち込まれても困る。俺の努力を無駄にするな。
「だから言ってんだろうが。生きてるだけで勝ち組だ」
「それは、相手が死んだから言える台詞だろうが! 相手が生きていたら――」
「なんで相手が関係するんだよ。勝った負けたとか、誰が決めんのかって話だ」
「な……」
「誰が……ですか?」
なんか二人とも勘違いしてるな。仕方ない。説明してやるとしよう。
「誰が決めるかとか、どこが勝敗を分けるのかとか、そういうの決めてないからおまえら勝手に自分は負け組だとか思ってへこんでんだろ? 馬鹿か」
どうせテッサもヘータに自分を投影していたに違いない。テッサは小悪魔だから他の悪魔たちより弱い。それに父親が弱かったようで、小悪魔の中でも弱いのだろう。また、小悪魔というのは魔界において、エルフでいうハーフエルフ同様、迫害の対象なのだ。
「単純な力比べなら勝ち負けはあるかもしんないけどな、生物っていう点なら長生きしてるやつが勝ち組だぞ? さっきも言ったけど、その時点でヘータはそこの身の程知らずの連中に余裕で勝ってる。だって生きてるからな」
一呼吸挟み、続ける。
「そんで、誰が勝った負けたを決めるかだけど……他の誰かに言われたから決めるのかよおまえら? 自分が負けを認めないなら負けじゃないんだぞ? 死んでるわけじゃないんだから、いくらでもやり直すチャンスはあるだろうが」
借金とかで首が回らなくなったら国外とか他の大陸に逃げればいい。命があるならどうとでもなる。そこにプライドとか面倒くさいものが絡んでくるなら、それこそ強くなればいいだけの話だ。
力で勝てないなら頭で勝てば良い。資金力で勝ってもいいし、人脈で勝ってもいい。
勝つか負けるかなんてのは、その焦点をどこに置くかの話。そして勝った負けたを決めるのは自分自身だ。
俺だって大富豪とかに資金力勝負を持ち込まれたら余裕で負ける自信があるが、俺が勝負したいのはそこじゃないからまるで問題ない。なんなら大富豪の金庫爆破させて無一文にして無理矢理勝つ。
「屁理屈じゃねーか!」
「屁理屈でいいだろ。諦めてウジウジして一歩も動けないよりは」
テッサの目が大きく開かれた。ヘータは……仮面してるからよくわからん……。
「なんならハッキリ言ってやるよ。おまえらな、二人とも馬鹿なんだよ。馬鹿ならな、せめて悩んでんじゃねえ。馬鹿の考え休むに似たりつってな、考えるだけ無駄なんだよ。だって馬鹿なんだから、考えたって良いアイデア出るわけねえの。ならとにかく遮二無二助けを求めて、賢いやつに協力募ればいいだろ。そっちの方がよほど建設的だ」
馬鹿であれなんであれ、レベルなり才能なりでできることは限られてくる。病気や寿命や家柄、色んな事情で誰でもできることは限られるのだ。
だって、どんな生物であっても死は免れない。いつかは死ぬ。
なら、走るしかない。
走って走って走って、自分だけのゴールを目指すしかないのだ。
「馬鹿なら考えるな。とにかく突っ走れ。それくらいなら馬鹿でもできる」
そんでな、と言いながらテッサを引き寄せた。驚くくらい素直に俺の胸に収まる。少し驚いたが、まあ良しとする。やわらかいし良い匂いするし暖かいしで文句はない。その調子で夜の方も頑張れ。
「走ってる間に出会った人に助けを求めればいいんだ。協力を募ればいいんだ。断られたら、それはそれでまた走り出せばいいんだ。そしたらそのうち、信じられないほどの人と顔見知りになれる。いつかおまえらより賢い、馬鹿じゃない協力者ができたとき、その人脈が活きるかもしれない。……才能限界なんかで悩んでんなよ。それ以外にも、いくらでも、おまえは力を蓄えられるじゃないか」
ヘータは俯き、震え始めた。けれど、今度の震えは俺に怯えていたときとは違うと確信できる。仮面をそっと持ち上げて両手を差し入れ、次々と溢れる涙を拭っているのだ。
それを見ながら、俺は大人しくなったテッサの頭を撫でる。ヘータに聞こえないよう、小声で囁いた。
「悪魔の基準で言うとおまえは弱いのかもしれないし、役立たずかもしれない。けど、俺はそうは思わない。だって俺は人間だからだ。おまえがもし自分の活かし方をわからないって言うなら、俺が見付けてやる。安心しろ、おまえが小悪魔だからって、それは俺にとってプラスにもマイナスにもならん。使える状況なら使うし、使えない状況なら使わないだけだ。強い弱いの話じゃない」
トールやソフィアと違って、テッサは抱き着いては来ない。けれど俺の腕から逃れようとはしないし、何より肩がだんだん熱くなっていることからも、彼女の気持ちは伝わってくる。
「相手が魔王だろうと悪魔だろうと関係ねえな。勝てないなら戦わないし、勝てると踏んだらブチ殺す。そもそも俺の前に勝手に出て来て邪魔できると思うなよって話だ」
きっと、この場を覗き見しているであろう連中に向けて呟く。
見ていて欲しい。でないとただただワケわからん一人言を呟いている痛い人になってしまうからだ。
お願いだから見てて……俺をしっかり見てて……!
「さて……」
どうしよう、この状況……。二人ともなんか泣いてるし、話を切り出せる雰囲気じゃない。泣き止むのを待つしかないのか……。
「…………ま、いいか」
空を見上げた。
数日間、緑の天蓋に覆われていて見えなかった青い空は透き通っていて、とても綺麗だ。久しぶりに、頭の上から足の先まで陽の光を浴び、ぽかぽかとした陽気が身を包む。
森の近くにあるからだろうか。今更気付いたが、この辺りはアールグランド大陸とは思えないくらいに気候が穏やかだ。ピクニックとかで使えそうな感じ。
もっとも、視界を遠くにやれば荒野が見えるのだが。
風が吹き、森の中とはまた違う草葉の香りが鼻をくすぐった。
次にこの景色を見るときは、メイたちも連れて。
そのためにも、まずはあのエルフどもに制裁を与えなくてはならない。
俺は魔王であろうとも悪魔であろうとも、邪魔をするなら排除すると決めたのだ。
ならば、それより遥か格下であろうエルフなんぞ、障害にすらならない。
俺を敵に回したことを後悔させてやる。それだけだ。
決意を胸に、後方に広がる森を睨んだ。
説教回みたいになってしまいました。これも全部「欠落」が悪い。さらにいえばメイが悪い。
弁解しておくと、本人は気付いていませんが、「人間」という種族がクラスアップしたことにより、ほんの僅か、小さじ一杯程度ですが、悪魔からの影響が弱まっています。
「英雄」としての名残というかなんというか。一度手を引くと決めた相手であれば「ちょっとくらいはどうにかしてやろうかな」程度に心が揺れる状態に。
面倒だと思えば突き放しますが。




