4-6 幕間
ちょくちょく挟む、超短い話です。申し訳ない。
いつもの如く二話更新です。
続きは一時間後!
人間であれ、魔族やモンスターであれ、生ける者であれば誰しもがロールを最低でもひとつは保有している。
最も稀少なロールはその稀少さゆえに、知っている者が少ない。では、周知されているロールの中で最も稀少とされているのはなんだろうか?
それこそが「勇者」であり、「賢者」だ。実際は同程度に稀少なロールも存在するが、この二つが有名なのはイメージとして簡単だからだろう。
「勇者」は近接戦闘も遠距離戦闘も可能なステータス補正を受ける。また、固有スキルも多く、尚且つどれも優秀。すべてが高次元で整えられたオールラウンダーなロールだ。
「賢者」は遠距離戦闘しかできないものの、「魔法使い」と「僧侶」を代表とする後衛ロールを数多く内包する。そのうえレベルアップでの魔力の伸びが高く、一人で魔法攻撃も回復魔法も、浄化魔法すらも可能。
「賢者」は「勇者」と違って近接戦闘はできないが、それでもオールラウンダーなロールであるといえる。「勇者」も魔法の一点でいえば「賢者」には敵わない。
なによりも「勇者」と「賢者」は双方ともに「慈悲深く、慎みを持ち、礼儀正しく、遍く人々を救う正義の化身」といったイメージが付き纏う。
最も有名な「勇者」が「英雄の勇者」であり、最も有名な「賢者」が「救世の賢者」である。
その理由は簡単で、「救世の賢者」は「英雄の勇者」の仲間であり、「英雄の勇者」は最強最悪で名高い「強欲の魔王」を討ち滅ぼしたためである。
だが、今では「救世」と共に「英雄」は姿を消した。
代わりとして人々の希望を背負う新たな「勇者」を誰もが望んでいた。
――そして、ある人物が頭角を現す。
全世界へ「強欲」が「英雄」に倒されたときと同じく、ある魔王が死亡した際の魔力波が拡がった。
倒されたのは「嫉妬の魔王」。「強欲」と同じく、誰もがそれを直感する。
その「勇者」は「英雄」に次ぐ新たな英雄として希望を背負うことになる。
彼の二つ名は「神託の勇者」。
「勇者」と「賢者」のダブルローラーだった。
「嫉妬の魔王」が支配するのはグリーンウッド大陸。最西のジェノバ大陸から数えて八番目の大陸だ。
そこから「嫉妬の魔王」が死んだ際に放たれる魔力波が各大陸に届くまでには、やや時間が必要となった。




