表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/324

女勇者ハマヤラ登場!

 さて、ここで新しい登場人物を紹介しなければなりません。

 その名も、“女勇者ハマヤラ”です。


 ハマヤラは、まさに女版アカサタといった感じ。「こう!」と決めたら、相手がどんなに煙たがっても、自分の意志を貫き通します。金色の髪の持ち主で、かなりの美人。勇者アカサタに言わせれば「おっぱいデケェ!」

 いつもハマヤラはアカサタの後をついて回っています。ま、アカサタの方も口ではいろいろ文句を言いながら、実はまんざらではないといった感じです。


         *


 今日も、こんな声が聞こえてきます。

「オイ!いい加減にしろよ!オレは1人で冒険したいんだよ!」

「まあまあ、いいじゃないの。旅は道連れ世は情けってね。2人でいた方が、なにかと効率がいいわよ」

「せっかく、他の奴らの尻を追っかけ回し陰に隠れながら戦わなくても、1人で敵を倒せるようになってきたっていうのに…」

「またまた~!恥ずかしいからって、そんな風な口をきいて。あなたの本心は、この私が一番わかってるんだから~」

「チゲ~よ!ウゼェよ!どっか行けよ!」

 ね?とっても仲がいいでしょ?


 結局、2人は仲良く並んで、森へと向っていきます。森に住むという珍獣を探しに行く為です。勇者アカサタがそそくさと前を進み、女勇者ハマヤラが、それを後ろから追いかける格好です。

 すると、突然、ハマヤラの視界からアカサタの姿が消えてしまいました。まるで、穴にでも落っこちてしまったかのように。というか、実際に道の真ん中に空いていた穴に落っこちてしまっていたのです。

「オ~イ!助けてくれ~」

 と、情けない声を出すアカサタ。


 こうして、さっそくハマヤラに助け出されているアカサタ。

「まったく!誰だよ、こんなとこに穴を掘ったのは…」

 穴の中に降ろされたロープをたぐり、ゼイゼイと息を切らしながら脱出した勇者アカサタが、そんな風にブツクサ言っていると、穴の中から何かがモゴモゴと這い出てくるのがわかりました。

「グゲゴギョギョ」と、わけのわからない声を発しながら現われたのは、巨大なモグラの化け物でした。

「出たな!こいつが、噂の珍獣か!」

 そう言いながら、勇者アカサタは、巨大モグラに向って斬りかかります。

「ちょっと!待ちなさいよ!殺しちゃったら、どうするのよ!?生け捕りにしないと!」

 女勇者ハマヤラが叫ぶのも聞かずに、アカサタはバシュバシュとモグラを攻撃しています。

「こんなものは!こうして!こうして!弱らせてから!とっつかまえりゃ、いいのよ!」

 そう叫びながら、持っていた大剣で巨大モグラを攻撃しまくる勇者アカサタ。


 やがて、モグラの化け物は、「ピギィィィィィィィィ!!」という鳴き声をあげながら、元の穴へと潜っていってしまいました。

「ああ~あ…あんたのせいで取り逃がしちゃったじゃないの」

 女勇者ハマヤラのそんな言葉にも耳を貸しません。

「しゃーない。今回は運が悪かったんだ。っていうか、生け捕りなんてこのオレ様の性に合わない。やめだ!やめ!次からは、もっと単純な依頼にするぞ。バシュッと斬って、サクッと終わるようなヤツに」

「バカ!そんなんじゃ、いつまで経っても魔王なんて倒せやしないわよ。力勝負だけで、どうにかなるわけがないでしょ。もっと頭を使わないと!頭を!」

 と言って、ポコリとアカサタの頭を叩きます。

「イッテーな!なにすんだよ!」

「愛の鞭よ」

 こんな風に、帰り道も仲良くケンカしながら歩く2人なのでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ