~エピローグ~
宇宙空間にて…
神様は、アカサタに向って語りかけます。
「さあ、いよいよ最後の時が来たようだ。アカサタよ、お前に最後の能力を与えよう」
「最後の能力?」
「そうだ。世界をゼロから生み出す能力だ。これからお前は、この力を使って無から全てを生み出すようになるのだ」
「わかった!」と、元気よく答えるアカサタ。
辺りが真っ白になり、白一色に包まれたかと思うと、すぐに元の状態へと戻りました。
こうして、アカサタは最後の能力を与えられたのです。
「ン?どこも変わったようには思えないが…」と、不満をもらすアカサタ。
それに対して、神様は答えます。
「いいや、確かに与えたぞ。世界を創造する能力を!」
「そうか。なら、後で試してみるとするか。それよりも、1つ疑問があるんだが…」
「なんだ、アカサタよ?」
「あんたが一番最初に言っていた“最高の能力”って、ありゃ何のコトだったんだ?」
「フフフ…それか。それはな…」
「それは?」
「それは全ての危機から守られ、ひたすらに成長を続ける能力。だが、もっと別の言い方がある」
「別の言い方?」
「そうだ。最初から、お前がここまでやって来ることは決まっていたのだ。この~エピローグ~に到達することは約束されておったのだ」
「???」と、アカサタには何のコトだかサッパリ理解できません。
「アカサタよ、お前に与えられた最高の能力。それは、お前が“この物語の主人公である”ということだ。だからこそ、これまで数々のピンチに陥りながら助かってきた。何があろうともこの物語から消え去ることはなかった。ひたすらにひたすらに成長し続け、ここまでやって来ることができた。それは、お前が主人公であるがゆえ」
さて、この物語をここまで読み進めてきた読者の皆さんは、私が1番最初にこう言ったのを覚えておいででしょうか?
もしも、忘れてしまった方がいらっしゃったら、もう1度~プロローグ~を読み直してみてください。
こう書かれているのを確認できるはずです。
*
まあ、この世界の人々からすれば神様みたいなものです。とりあえず、呼び名がないと不便なので“神様”としておきましょう。
正確に言えば、ちょっと違うんですけどね。
*
そろそろ、その神様の正体を明かす時が来たようです。
そう!神様だけど、ちょっと違う。その正体。それは、この物語の“作者”だったのです。
そうして、アカサタは、新たな物語の紡ぎ手…新しい作者となってのでした。
きっと、作者となったアカサタは、これからいくつもの奇想天外な物語を生み出し続けてくれることでしょう。皆さんも、その作品を目にすることがあるかもしれません。
さらに、ここまでこの物語を語ってきたこの私はというと…
この物語の“語り手”であったのです。
さて、これでご満足いただけたでしょうか?
それでは、またどこか別の物語でお会いいたしましょう。
~おしまい~