自由を取り戻した世界
政治家となったアカサタは、仲間を増やし、法律を変えていきます。
世界の流れは、完全に「自由なセックス」へと傾いていました。法律の改正案は圧倒的多数で可決され、不必要なルールそのものが削除されていきます。
ご覧ください。
街中には、軽めの服装で肌を露出させた女性が大勢います。幸せそうななカップルがあちらこちらで、腕を組んだり手を握ったりしながら歩き回っています。
自由なファッションが許されるようになり、文化は広がりを持ち、多様化していきました。それにより、新しい商品が次から次へと発売されていき、経済的にもうるおうようになっていきます。
けれども、それは同時に様々な弊害をも生み出しました。
これまではなかったような恋人同士の痴話ゲンカが生じるようになり、男女の修羅場が起こるようになっていきます。
結婚した夫婦も浮気が目立つようになり、離婚のための訴訟が頻発します。
ドロドロの人間関係から、ストーカー事件や殺傷事件が起こります。
それらは、映画やドラマの題材となり、さらに文化に深みを与えるようになりました。
これまで禁じられていた恋愛関係の話題が解禁されることにより、作家はより広い表現ができるようになっていきます。
このように、世界はより広く深みのある文化を生み出すことに成功し、代わりに多くの問題を抱え込むことになっていったのです。
それがよいコトなのか?悪いコトなのか?それは、人によって解釈が違ってくるでしょう。
物の見方というのは、1つではないのですから。別の方向から見ることによって、その形は変わってしまいます。
アカサタが行ったのは、そういうコト。より多くの可能性を残す方へ残す方へと世界を変えていったのです。
~第6部 完~