地下組織のアジト
さて、刑務所を脱走したアカサタ。
懲りずに街をぶらつきます。ただし、今度は大声で叫び回ったりはしません。
「どうやら、この世界を変えるには、強引なやり方では駄目なようだ。もっとスマートで、クレバーな方法を用いなければ。さて、それにはどうすればよいのか?」
そんな風に考えながら歩いていると、1人の男が目の前に現われます。
一瞬、「また警察か!?」と警戒したアカサタでありましたが、どうやらそうではなさそうです。
「さあ、アカサタさん!こちらです!」と、案内されるまま、男の後をついていくことにしました。
*
アカサタが案内されたのは、1軒の古びた酒場でありました。
「おや、お前さんか。ん?横に連れているのは誰だ?見ない顔だな」
そう、酒場のマスターが話しかけてきます。マスターはかなり年を取っており、顔中に生やしたヒゲは、そのほとんどが真っ白になっています。
「この方がアカサタさんですよ」と、男が答えると、酒場のマスターも「おお!」と表情を一変させました。
「あんたが、アカサタさんか!お待ちしておりましたぞ!さあさ、こちらへ」
そう言いながら、マスターは酒場の奥へと2人を通し、奥の部屋にある地下への扉を開きました。
「さあ、この階段を降りて」と、言われるままに地下へと階段を降りていくアカサタ。
そこに広がっていたのは、夢のような光景でした。
部屋の中には、何人もの男たちが。
壁中に、所狭しと並べられたエロ本の数々。水着姿のグラビア女性の写真集から、無修正のハードなタイプの雑誌まで、様々に取りそろえられているのでした。
正面の壁の中央には巨大なテレビが設置されており、画面には裸の男女が抱き合っているシーンが映し出されています。間違いありません。AVです。
プ~ンと精子の香りが部屋の中に漂っています。さらには、男性用のオナニーグッズも豊富に並べられていて、自由に使用できるようになっています。どうやら、みんな、この部屋でシコシコやっているようです。
「おお!これは凄い!よくぞ、これだけの物を集めたものだ!」と、若きアカサタは感動しました。
「どうです?ちょっとしたものでしょ?」と、酒場のマスターも自慢げです。
「僕は、以前に街頭で演説しているアカサタさんの姿を拝見して、とても感動いたしました。その後、警察に連行されていく姿も見ていたのですが、すぐに脱走されたという噂を聞きまして。それで、偶然街を歩いておられる所をお見かけして、『ぜひ、ここにお連れせねば!』と決心したわけです」と、アカサタを連れてきた男が言います。
「ここは?」とアカサタが尋ねると、今度は酒場のマスターが答えます。
「マスターベーション部屋にございます。できる限りの手を尽くし集めたエログッズの数々。ぜひ、ご堪能くだされ」
「しかし、これらは違法な品のはずでは?」と、アカサタ。
「もちろん!見つかれば、とたんに刑務所送りになってしまいます。ですから、どうかこのコトはご内密に。信頼できそうなアカサタさんだからこそ、お連れしたのです」と、男が答えます。
「実は、このような施設が世界各地に点在しておるのです。そうして、地下組織を形成し、連絡を取り合っております」と酒場のマスターも言ってきます。
「フ~ム…なるほどな。この世界も、意外と捨てたもんじゃないな。ヨッシ!ここを拠点に、世界にエロを開放する活動を開始するか!」と、決意を固めるアカサタ。
それに対して、部屋の中にいた他の男たちも「エイエイオー!」と、ときの声を上げるのでありました。