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刑務所の中で

 刑務所の中でも、アカサタは叫びます。

「オイ!コラ!何しやがる!出しやがれ!自由に生きて何が悪い!セックスは自由な行為だろうが!エロを世界に開放しろ!人々から自由を奪うな!!」


 けれども、刑務所の監視官たちは、その言葉を無視します。

「新入りが、何かほざいてるぞ」

「ほっとけ、ほっとけ。じきにおとなしくなる」

「そうだな。これこそが、最大の罰なのだから」


 そう、おりの中で何もできず放置されていること。これこそが、この世界においての罰でした。

 最低限の食事は与えられますが、それ以外は何もできません。何もするコトがないのです。読むような本もなければ、するような仕事も与えられません。ただ、ボ~ッと天井を見て暮らすしかないのでした。


 以前は、もっと別の罰も用意されていました。

 エロをこの世界に開放しようとした者たちは、刑務所の檻の中に入れられると、そこで強制的に“矯正教育プログラム”を受けさせられることになっていました。

 プログラムの内容は、ひたすら同性の映像が映っているビデオを見せ続けられること。これにより、異性に対する興味を失わせようとしたわけです。

 けれども、この結果、大勢の同性愛者を誕生させてしまいました。受刑者たちは、エッチなコトそのものから興味を失うわけではなく、ただ性の対象を変更しただけに過ぎなかったのです。そうして、特殊な趣味の人間がたくさん世に放たれてしまったのです。


 これにりた政府は方針を転換します。

 こうして、たった今、アカサタが受けているような“何もさせてもらえない”という罰が生まれたわけです。


 これには、さすがのアカサタも参ってしまいます。

 何しろ、退屈が嫌いで嫌いでたまらない人間なのです。ちょっとでもすきが生じると、新しい遊びに手を出してしまうような性格。次から次へと移動し、新しいコトに手を出すのは得意でしたが、その逆は超苦手。

 “何もしない”というのは、苦痛のきわみでありました。


 そんなアカサタでしたから、刑務所暮らしは肌に合わず、またたく間に逃げ出してしまいます。

 かつての世界で様々な能力を身につけたアカサタからすれば、こんなチンケな警備の建物から抜け出すだなんて、わけのない行為だったのです。

 赤子の手をひねるように、一瞬にして脱走してしまいました。

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