法律を学ぶハマヤラ
さて、アベスデが父親の経営する会社に入社し、研鑽を続けていた頃、ハマヤラはどうしていたのでしょうか?
実は、ハマヤラも大学に通っていたのです。そこで、法律の勉強をしていたのでした。
「なんだかんだいいつつも、世界を変えるのは法律よ。ルールを作り替えられる立場に立てば、それだけで有利になるはず」
そう考えて、この道を進んだのです。
これには、父親のハルバートも大賛成です。
その為の援助を惜しみません。大学に通う為の費用なども、いくらでも用意してくれました。
ここでも、バランスよく生きていくハマヤラ。
基本的には勉強に専念していますが、その片手間で、恋に遊びにといろいろこなしていくのでした。
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その頃、ダックスワイズの方はというと…
相変わらず、貧民街で暮らし続けています。
お金持ちの家に生まれたダックスワイズではありましたが、このような生活は、決して苦ではありませんでした。わずかなパンのカケラをかじり、泥水のようなスープをすすりながら、それでも立派に生きているのです。
それよりも何よりも我慢できないのは、自由がないコトの方でした。それに比べれば、貧しいくらいはなんでもありません。
それに、母親であるアカサタも、応援してくれています。
「足りない物があれば、何でも言いなさい。全て揃えてあげますからね」
アカサタからはそう言われていましたが、送られてきた物資も片っ端からバラ撒いてしまうのです。食べ物もお金も、ほとんど全部、貧しい人たちにわけ与えてしまうのでした。なので、ダックスワイズは、いつもお腹を空かせていました。
それでも、心の中は夢でいっぱいでした。
そうやって、ダックスワイズは着実に仲間を増やしていきます。
貧しくはあるけれども、数々の能力を持った者たちが、彼のもとへと集うのでした。
 




