世界を埋め尽くした猫たち
街を支配した猫たちは、さらに隣街、そのまた隣街…と勢力を拡大していきます。
しかし、その様子は意外と平和なもの。むしろ、猫に憑依されて猫人間となってしまった人の方が「かわいい~」と言われて人気が出てしまいます。
外国人とのハーフがチヤホヤされるのと同じようなものです。
ブームは、それだけでは終わりません。
猫人間は、国中へと波及し、世界中へと広がっていきます。そうして、そのまま1つの文化として取り込まれ、完全に定着してしまいました。
やがて、猫人間が猫人間の子供を産み、さらにその子も大人になって猫人間の子供を産み…ついに、この世界は、猫と猫人間によって埋め尽くされてしまいました。
*
神様のもとへと戻ってきたアカサタ。
「さて、どうだったかな?」と、神様に尋ねられます。
「ま、なかなか楽しい人生…いや猫生だったぜ」
それに対して、神様はこう言います。
「ホレ、最初に言った通りだったろう」
「え?何がだ?」
「人生というのは、自分の力で変えていくもの。どんなに平和で退屈な世界であろうとも、そこに『楽しくしてやろう!』という意志さえあれば、いくらでも刺激的に変えられるものなのだ。アカサタよ、お前は猫としての一生すら、おもしろおかしく生きてみせてくれたではないか」
その言葉を聞いて、アカサタは少し考えてから答えます。
「フ~ム。なるほど、確かにな。言われてみれば、その通りだ」
それから、すぐにアカサタは言葉を継ぎます。
「さあ、そんなコトはどうでもいいから、さっさと次の世界を楽しませてくれ!こっちは、退屈でどうしようもないんだ!」
それを聞いて、神様はサッと杖を振り、アカサタはまた別の世界へと飛ばされていったのでした。
~第4部 完~




