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九尾の猫又

 それからも、化け猫のアカサタを倒そうと、次から次へと敵が襲ってきます。

 除霊師じょれいし陰陽師おんみょうじなど、妖怪退治にけた連中が、アカサタの命を狙ってくるのです。


「くっそ!なんなんだ、コイツらは!?まったく、めんどくさいったらありゃしねえ!」

 そんな風に文句を言いつつも、いちいち相手にしてやる猫のアカサタ。


 その過程で、貴重な情報を得ることもできました。

「お前は、猫のくせに人間を快楽の世界に引きずり込んでしまった。そうやって、人間を快楽に導くたびにお前の中にカルマが溜まっていき、そのカルマは妖力となって、お前を化け物へと変えてしまうのだ!」

 陰陽師の1人のそのように説明され、ようやく納得する猫のアカサタ。

 けれども、その話を聞いても、これまでの生き方を変えようとはしません。それどころか、以前にも増して、女の人を喜ばせて回るようになります。


 そうこうする内に、化け猫アカサタの尻尾しっぽの数はドンドン増えていき、ついに8本にまで達してしまいました。

 さらに、尻尾の数が増えるたび、アカサタの妖力もまた増していき、いくつもの妖術を扱えるようにもなったのです。


         *


 そんなある日、アカサタの前に、思わぬ強敵が現われます。

「私は夜巫女ヨミコ!妖怪バスター夜巫女ヨミコよ!!」

 そう宣言しながら現われたのは、これまでとはケタ違いの能力を持った、若い女性の妖怪退治家でした。

「あなたの尾の数は、すでに8つにまで達している。その尾が9つになった時、最強の化け猫“九尾きゅうび猫又ねこまた”となってしまう!そうなる前に、この私が倒してみせるわ!!」

 妖怪バスターヨミコは、そう叫びながら迫ってきます。


 さすがに生まれた時から妖怪退治の修業を積んできただけあって、ヨミコの能力は、とてつもないものがあります。

 自由自在に魔法の扱える状態ならば、いざ知らず。今のアカサタは、人間の言葉の喋れない体。仕方がなく、かつて覚えた“気の力”と、ここ最近身につけた“妖力”を使って応戦します。


「くっそ!さすがに、コイツは危ないぜ。手を抜いていたら、やられてしまう。全力で行かせてもらうぜ!!」

 アカサタの方も本気です。

 呪符じゅふや暗器、妖怪専用の剣などで、次から次へと攻撃してくる妖怪バスターヨミコの攻撃をかわしつつ、反撃へと転じます。

 あやうく死にそうな目にいながらも、どうにかこうにか敵を屈服くっぷくさせることに成功しました。


「それじゃあ、最後はお前の体で力をもらうとするかな」

 倒れ込んだヨミコを前に、猫のアカサタは言います。

 そうして、いつもの性技を披露すると、妖怪バスターヨミコを快楽の絶頂へとのぼり詰めさせました。その瞬間、強力なエネルギーが、猫のアカサタの体内へと流れ込んできます。そうして、アカサタの尻尾は9本へと増えてしまいました。


 こうして、化け猫のアカサタは、九尾きゅうび猫又ねこまたへと変化へんげしたのです。

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