“絶猫舌技猫舌舐めずり”で、近所の女の人たちを喜ばせる
猫になったアカサタは、近所の女の人たちにかわいがられながら、楽しく生きていました。
女の人と一緒にお風呂に入ったり、ベッドの中で一緒に眠ったり、女の人を気持ちよくさせてあげることもよくありました。
独り身の女性を、その小さくチロチロとした舌で慰めてあげるのです。
これは、大変に好評でした。
世の中、自分勝手な男の人が多いもの。それに比べて、猫のアカサタは、女性に奉仕するというコトを知っていたのです。しかも、どこをどう舐めれば気持ちよがるのかも、よくわかっていました。
もちろん、女性の方は、ただの猫だと思っています。けれども、実際は、そうではありません。中身は数百年も生きてきた経験豊富な人間なのです。
それも、大変なエロエロ人間でした。
ちなみに、アカサタは、駄菓子屋のおばあさんから“タマ”と名づけられてかわいがられていました。なので、近所の人たちも、みんな「タマ!」「タマ!」と呼んでいます。
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この頃、この街では、このような会話がよく聞かれたものです。
「ねえねえ、聞いて!聞いて!私、彼氏ができたのよ!」
「へ~、どんな人?」
「それがね、とっても毛深い人なのよ」
「アラ、それは偶然ね。アタシの彼氏も毛深い人なのよ」
「でね、アッチの方が凄く上手なの。特に、舌使いが上手くてね…」
「へ~、それも偶然ね。アタシの彼氏も、舌使いが抜群にいいのよ」
これは、嘘です。この女の人2人は完全に嘘をついています。相手は、彼氏などではありません。人間ですらないのです。猫のアカサタのことでした。
このように、猫のアカサタは街中を歩き回っては、1人で寂しがっている女性を喜ばせていました。
そのくらい抜群のテクニックを持っていたのです。もはや、神業です。
アカサタは、この技に“絶猫舌技猫舌舐めずり”と名づけます。女の人を舐め回す究極の必殺技です。これにより、女の人を快感の絶頂に導きます。
この技1つで、世界を取る勢いです。
おかげで、女性から引っ張りだこ。
途中からは、女の人の方からやって来て、奪い合いに発展してしまいます。
誰も彼もが「今夜は、私と過ごすのよ!」「いいえアタシよ!」「その猫を、こっちに寄こしなさい!!」「タマは、私のモノだから!」と叫び、ヒステリーを起こすのでした。
街ではいつも女性同士が、猫のアカサタを巡って、罵り合ったり、ひっかき合いのケンカをしていました。まさに、キャットファイトです。
ここでも、アカサタは世界に混乱をもたらしてしまったのでした。




