表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

268/324

“絶猫舌技猫舌舐めずり”で、近所の女の人たちを喜ばせる

 猫になったアカサタは、近所の女の人たちにかわいがられながら、楽しく生きていました。

 女の人と一緒にお風呂に入ったり、ベッドの中で一緒に眠ったり、女の人を気持ちよくさせてあげることもよくありました。

 独り身の女性を、その小さくチロチロとした舌でなぐさめてあげるのです。


 これは、大変に好評でした。

 世の中、自分勝手な男の人が多いもの。それに比べて、猫のアカサタは、女性に奉仕ほうしするというコトを知っていたのです。しかも、どこをどうめれば気持ちよがるのかも、よくわかっていました。


 もちろん、女性の方は、ただの猫だと思っています。けれども、実際は、そうではありません。中身は数百年も生きてきた経験豊富な人間なのです。

 それも、大変なエロエロ人間でした。


 ちなみに、アカサタは、駄菓子屋のおばあさんから“タマ”と名づけられてかわいがられていました。なので、近所の人たちも、みんな「タマ!」「タマ!」と呼んでいます。


         *


 この頃、この街では、このような会話がよく聞かれたものです。

「ねえねえ、聞いて!聞いて!私、彼氏ができたのよ!」

「へ~、どんな人?」

「それがね、とっても毛深い人なのよ」

「アラ、それは偶然ね。アタシの彼氏も毛深い人なのよ」

「でね、アッチの方が凄く上手なの。特に、舌使いが上手うまくてね…」

「へ~、それも偶然ね。アタシの彼氏も、舌使いが抜群にいいのよ」

 これは、嘘です。この女の人2人は完全に嘘をついています。相手は、彼氏などではありません。人間ですらないのです。猫のアカサタのことでした。


 このように、猫のアカサタは街中を歩き回っては、1人で寂しがっている女性を喜ばせていました。

 そのくらい抜群のテクニックを持っていたのです。もはや、神業かみわざです。


 アカサタは、この技に“絶猫舌技ぜつびょうぜつぎ猫舌舐ねこじたなめずり”と名づけます。女の人を舐め回す究極の必殺技です。これにより、女の人を快感の絶頂に導きます。

 この技1つで、世界を取る勢いです。


 おかげで、女性から引っ張りだこ。

 途中からは、女の人の方からやって来て、奪い合いに発展してしまいます。

 誰も彼もが「今夜は、私と過ごすのよ!」「いいえアタシよ!」「その猫を、こっちに寄こしなさい!!」「タマは、私のモノだから!」と叫び、ヒステリーを起こすのでした。

 街ではいつも女性同士が、猫のアカサタを巡って、ののしり合ったり、ひっかき合いのケンカをしていました。まさに、キャットファイトです。


 ここでも、アカサタは世界に混乱をもたらしてしまったのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ