ハマヤラのテレビインタビュー
捕まってしまった女性アカサタは、嬉々としてテレビ局の取材に応じます。
その際に、「私は、ハマヤラという名前なのよ」と公言していました。
ちなみに、アカサタを捕まえた少年は、莫大な懸賞金を手にして、「やったぜ!!」と大喜びです。
テレビ画面の中で、芸能レポーターが質問しています。
「ハマヤラさん、あなたは本当に女の人なのですか?」
それに対して、ハマヤラと名乗っているアカサタは自信満々に答えます。
「ええ、もちろんよ!どこからどうみても正真正銘の女でしょう?」
「しかし、世間では、あなたの存在を疑っている人が大勢いますが。何らかの方法で女性に化けているだけではないのだろうか?と」
「え?そうなの?だったら、あらゆる手段で証明してみせるわよ。どのような検査でも受ける覚悟はできているわ」
それから、芸能レポーターは、話題を変えます。
「それでは、別の質問を。ハマヤラさん、あなたはこれまでどのような人生を送ってこられたのでしょうか?失礼ながら、あまり若い年齢には見えませんが、どこで隠れて生活していたら、こんな風に世間の人々に見つからずに生きてこられるのでしょう?」
女性アカサタは、それを聞いて、憤慨したように答えます。
「まあ、ほんとに失礼ね!悪いんですけど、そのご質問にはお答えできませんわ。ノーコメントということで」
その後も、テレビの中でアカサタは質問攻めに遭います。
それが終わると、今度は医療機関に運ばれて、精密検査を受けさせられることになりました。
*
何週間にも渡る精密検査の結果、ハマヤラこと女性アカサタは、生物学的にも本物の女性だということが証明されました。
そうして、突然現われたディープブルー色をしたスーツの男たちによって、アカサタはさらわれてしまいます。
広く薄暗い会議室の中で、何人もの男たちが話をしています。
「なんてことをしてくれたんだ!この世界に女はいないことになっていたのに!!」
「一体、どこから現われたんだ!?」
「それはわからん。謎のままだ」
「もしかしたら、向こうの世界から送り込まれたのでは?」
「だが、仕方がない。こうなったら、処分するより他にないだろう」
「そうだな。かわいそうだが、この世界から追放させてもらうことにしよう」
アカサタは、黙って、その話を聞いています。
もちろん、アカサタの能力からすれば、こんな場所から逃げ出すなんて雑作もありません。わざと捕まり、あえて逃げ出さずにいるのです。
それどころか、これこそがアカサタの秘策。これこそが狙っていた事態でした。
「よっし!これで、別の世界へと送られる!生まれたばかりの赤ん坊ローズも取り戻すことができるだろう!」
心の中でアカサタはガッツポーズをしながら、そう叫びました。




