炎の魔法の特訓
ある日のことです。
勇者アカサタは、炎系魔法の使い手スカーレット・バーニング・ルビーと一緒に、街の隅にある空き地に立っていました。魔法の特訓をするためです。
スカーレット・バーニング・ルビーが、こんな風に嘆いているのが聞こえてきます。
「もう~!あんた、全然上達しないわね」
勇者アカサタが、やる気のなさそうな声で答えます。
「アネゴ~!これ、もう無理っす!」
「無理じゃないわよ。もうちょっと努力しなさいよ~!せっかく、このあたしが直々に基礎からミッチリ教えてあげてるっていうのに~」
そうです。そうなのです。ここ何日か、炎の魔法の使い手であるスカーレット・バーニング・ルビーが、直接その技を伝授する為に、暇を見ては勇者アカサタに炎の魔法の指導をしているのでした。
けれども、アカサタはちっとも進歩しません。
「まあ、魔法っていうのは相性があるからね。残念ながら、あんた、炎系には向いてなかったってことなのかも。けど、見どころはあると思ったんだけど。性格も、あたしに似てるし…」
「そうっすか?」
「そうっすよ~!あんた、時々、物凄いスピードで成長してることあるじゃない?アレ、どうやってんのよ?」
「あ、アレはっすね。エロいコトを考えるんっす!エロ関連の能力だけ、急激に進歩するんっす」
スカーレット・バーニング・ルビーは、ここでちょっと考えてから答えます。
「エロ関連?じゃあ、炎の魔法もエロにからめて覚えなさいよ」
「無理っす。炎じゃ、ロウソクに火をつけるくらいしか必要ないし。もっと、こう~、女の子をビショ濡れにするとか、女の子の服を脱がせるとか、女の子の服を切り裂くとか、そういうんでないと~」
「なによそれ。じゃあ、お風呂はどうよ?女の子をお風呂に入れるシーンを思い浮かべて、魔法を放ちなさい。お風呂を沸かすには、火力が必要でしょ?」
ここで、ちょっとばかし、勇者アカサタが本気モードに入ったようです。いきなり、真剣な表情に変わり、目がギラリと輝きました。
「お風呂に…なるほど。女の子をお風呂に…」
それから、もう1度、魔法を放ちます。
「マッチ!」
すると、これまでマッチ大の大きさに過ぎなかった炎の魔法が、何倍もの威力で放たれました。
「おお~!できた!できたじゃないの!」と、スカーレット・バーニング・ルビーも喜んでくれます。
「アネゴ!いけまっせ!」
「よっし!どんどんいこう!次は、武器や防具に炎の属性を付加する魔法よ。女の子を火あぶりにして、苦しめるシーンを想像して。汗をダラダラ流しながら、苦しみながら喜んでるの!」
「わかりやした!やってみます!」
こんな調子で、次から次へと新しい魔法を覚えていき、これまで覚えた魔法の威力も格段に上げることに成功した勇者アカサタでありました。
まったく、エロ関連だけは強いんですね…




