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勇者アカサタの夢

 ある時、勇者アカサタと女勇者ハマヤラが、2人で並んで歩きながら、会話をしていました。


 いきなり、勇者アカサタが、こんな風に切り出します。

「なあ?オレの夢を知ってるか?」

 それに対して、女勇者ハマヤラは、当然のように答えます。

「そりゃ、魔王を倒して、世界に平和をもたらすことでしょ?」

「いや、違う。そんなチッポケなもんじゃねえ。オレの夢は、そのさらに先にある。どうだ、聞きたいか?」

 女勇者ハマヤラは、何か嫌な予感がして、即答します。

「いいえ、聞きたくないわ」

「そうか、そんなに聞きたいか」

「あんた、人の話を聞いてる?」


 勇者アカサタは、女勇者ハマヤラの言葉を無視して続けます。

「オレの夢、それはな…おっぱい牧場を建設するコトだ!!」

「は?」

「だから、おっぱい牧場だよ!おっぱい牧場!」

「何よ、それ」

「ほう。気になるか。では、説明してやろう」

「いや、いいわよ。大体、想像がついたわ」

「おっぱい牧場、それは…」

「だから、言わなくていいって。わかったから」

「古今東西、ありとあらゆる国のあらゆるおっぱいの持ち主を1ヶ所に集結させるコトなのであ~る!そうして、おっぱい牧場の牧場主であるこのオレ様は、いつでも好きなおっぱいを揉み放題なのだ!!」


 しばらくの沈黙がありました。

 女勇者ハマヤラは、呆れてしまい、何も言いません。

「どうだ?スゲェだろう?ただのおっぱいじゃないぞ。全てのおっぱいだぞ。大きさだけに限らず、色も形も肌触りも弾力性も香りも、世界中全てのおっぱいが集まっているのだ!」

「あっそ」

 ハマヤラは、完全に興味をなくしています。

 それでも、勇者アカサタは言葉を続け、その夢を熱く語ります。

「さらに続きがある」

「どうせ、ロクでもない夢でしょ?」

「とんでもない!壮大な夢だ!それは、おっぱいプールだ!!」

「は?」

「古今東西、ありとあらゆる国のあらゆるおっぱいの持ち主を1つのプールに集めて、このオレ様は、そのおっぱいで満たされた空間を自由に泳ぎまくるのだ!」

 女勇者ハマヤラは、完全に別の方向を向いて歩いています。勇者アカサタの方を見ようともしません。

「さらに、おっぱいスタジアム。これは、観客席に胸をはだけた女の子が何万人も詰めかけてきて、オレの股間のバットとボールで…」


 バチコ~~~~ン!!


 ここで、ようやく、女勇者ハマヤラのストレートパンチが、勇者アカサタの顔面にクリーンヒットしたのでした。

「さいって~!!最低!最低!最低!」


 こんな風に、今日も平和な1日が過ぎていくのでした。

 勇者アカサタさん、魔王討伐はどうしたのですか?あなた、本来の役割を忘れてません?

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