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宮殿内へ突入!

 賢者アベスデの呪文により、敵の魔法を破ることに成功した冒険者一行。

 そこには、“幻影の魔法”でカモフラージュされ、隠されていた宮殿があったのです。


 さっそく、先陣を切って宮殿内へと突入していく勇者アカサタ。

「あ、待ちなさい!そんなに慌てないで!」という女勇者ハマヤラの言葉も聞かずに、走っていきます。

「へ~きへ~き!どんな強敵が待ち構えていようと、このオレ様が…」

 そこで、言葉が切れてしまいました。

 宮殿内の床に設置してあった落とし穴に、ヒュ~と落ちていき、あわれ勇者アカサタの姿は見えなくなってしまったのでした。

 どうやら、宮殿のあちこちに、この手のトラップが仕掛けられているようです。


「だから、言わんこっちゃない」と、文句を言いつつ、ハマヤラも、勇者アカサタの後を追って、落とし穴の底へと降りていきました。

 もちろん、“飛行の魔法”を使って、ケガをしないようにゆっくりと。


         *


「いてててて…」

 落とし穴に落ちている途中で“フワリン”の魔法を唱え、どうにか落下の衝撃をやわらげた勇者アカサタですが、どうやらちょっと魔法を使うタイミングが遅かったみたいです。

 お尻からきれいに落ちて、いくらかのダメージを負ってしまったよう。


 そうこうしている間に、上空からゆっくりと女勇者ハマヤラが降りてきます。

「大丈夫?アカサタ?」

「大丈夫じゃね~よ!なんで、止めてくれなかったんだよ!」と勝手なコトを言っています。

「いやいや、ちゃんと止めてあげたでしょうが。アンタが言うコトを聞かなかっただけで」

「そうだっけ?」と、トボける勇者アカサタ。


 そこへ、忍び寄る影が…


         *


 一方、上の階に残された他のメンバーのもとにも、別の敵が迫りつつありました。

 それは、宮殿内に侵入した者を自動で攻撃する人形、ゴーレム。それも、かたい石でできているので、ストーンゴーレムというわけです。


 ストーンゴーレムは、何百キロもありそうな重い石が組み合わせてできており、その腕から繰り出されるパンチは、一撃一撃が相当な威力を秘めています。一般市民ならば、頭に一発食らっただけで、そのまま昇天してしまうでしょう。

 ただし、動きはそんなに速くはなく、むしろ鈍い…はずなのですが?

 この宮殿内に配置されたゴーレムは、そうではないようです。床の上をすべるように、足を動かすことなくス~ッと進んできます。まるで、幽霊か、カーリングのストーンのように。


 迫ってくるストーンゴーレムに突撃され、何人かの兵士が吹き飛んでいきます。

 防御力に欠ける魔術師たちを守るために、ゲイル3兄弟の1人アゴールがストーンゴーレムの前に立ちはだかります。

 アゴのなが~いアゴールは、その名を“鋼鉄人こうてつじん”とも呼ばれ、自らの体を鋼鉄化させて戦うコトができるのです!


 正面からガッチリとストーンゴーレムの両腕を押さえ込むアゴール!

 すもうを取るようにお互いを押し合うアゴールとストーンゴーレム。


 そのすきに、周りにいた兵士たちは剣や斧などで攻撃を始めますが、なかなかダメージを与えられません。

「なんだ、コイツ!?体がかたくて、剣が通らないぞ!」

 兵士の1人が、そう叫びますが、すべがありません。

 魔術師たちも、炎や氷などの魔法で攻撃しますが、これまたダメージを与えている感じはしません。

 

 そこへ、炎系魔法の使い手スカーレット・バーニング・ルビーが現われます。

「そこを、どいて!」

 そう言うと、続けて“油地獄あぶらじごく”の魔法を唱え始めました。

 ただし、目標はゴーレムではありません。ストーンゴーレムが立っている床を目がけて魔法を放ちます。


 途端に、床はツルツルにすべりやすくなります。

 アゴールが、ちょこんと力を入れて押しただけで、ス~ッとストーンゴーレムはすべっていき、先ほど勇者アカサタが落ちていった落とし穴へと落ちていってしまいました。

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