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~プロローグ~

 ある所に、1人のニートが住んでいました。そのニートは、全然働こうとはせず、これから一生働く気もありませんでした。

 あまりにもどうしようもないので、周りの人たちも完全に諦めてしまっていました。

 家族も、親戚も、友人も、学校の先生も、みんなみんな諦めていたのです。


 それを、別の世界から眺めている存在がいました。

 まあ、この世界の人々からすれば神様みたいなものです。とりあえず、呼び名がないと不便なので“神様”としておきましょう。

 正確に言えば、ちょっと違うんですけどね。


 そうして、神様がニートの側にやってきて、どうしようもないニートに向って、こう言いました。

「お前は、まったく、どうしようもないな~」

 ニートは驚いて、こう答えます。

「な、なんだぁ~!?お前は!?」

 神様は、冷静にこう返します。

「お前は、このままこの世界にいても、どうしようもない。どうせ、このままの暮らしを続けて、くだらない一生を過ごすだけだ」

 ニートは、脊髄反射でこう答えます。

「そ、そんなコトわかるもんか!オレは、今にドデカイことを成し遂げる男になってやるんだ!」

 神様は、ヤレヤレといった顔をしながら、ニートに語り始めます。

「このまま、この世界で暮らしてもロクなことにはならんだろう。だから、お前にチャンスをやろう。こことは別の次元に、危機に瀕した世界がある。その世界を救う者になってみないか?それならば、お前の言う『ドデカイことを成し遂げる男になる』という条件にも合っているだろう?」


 ニートは、ここでちょっと考えました。

「これは、夢か何かだろうか?ついに、オレも頭がおかしくなったか?自分で作り出した妄想が喋り始めて『世界を救う男になれ』とか言っているのだろうか?」と、そんな風に考えたのです。

 それに対して、神様はこう答えます。

「夢じゃあ、ありゃせんよ」

 ニートは、驚いて叫びます。

「おお!オレの心の声を読みやがったな!やっぱり、妄想じゃねーか!」

 神様は、さらに続けます。

「まあ、どう思ってもらっても構いはせんよ。それよりも、行くのか行かないのかハッキリしてくれんか?どうするね?別の世界を救う者になる気はあるか?」

 男は、再び考えてから答えました。

「オッシ!やってやろうじゃねえか!どこの世界へでも飛ばしてみやがれ!救世主にでも何でもなってやらぁ!!」

 神様は、ウンウンとうなずきながら、笑顔で答えます。

「よっし!では、決まったな!」

 神様が、何事かを念じます。

 すると、次の瞬間、ニートの姿はその場から消え去っていました。


 こうして、ニートは別の世界へと飛ばされ、この世界から厄介者が1人消え去ったのでした。

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