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金太郎 Ⅱ
むかーしむかし(とは(以下略))金太郎という少年がいて、その少年は恐ろしく力が強く、森の動物と相撲を取っていました。
今日の相手は熊です。金太郎は熊と相撲を取り、接戦の末勝利しました。
「金太郎に勝てる動物は、もうこの森にはいないよ」
動物たちは口をそろえて言いました。
ある日金太郎は、熊にまたがり、森の動物を引き連れて別な山へ出かけました。
しばらく行くと、深い谷の上で人々が困っているのが見えました。谷には橋がかかっておらず、渡ることができないのです。
「ようし、おらにまかせろ」
金太郎は、そばに生えていた大木を力いっぱい倒しました。
「何て力の強い子だ」
人々は金太郎を恐れ、牢屋に閉じ込めてしまいました。
結論:人と違うものは妨げられる。ああ、なんと哀しき世の中か。
金太郎シリーズはこれで終わりです。