表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

まさかの迷子スキル発動


 さて、ここで質問だ。

このカオスな状況下、どうすれば良いのだろうか?


「支部長が脱走したぞぉーーーーーー!!」


 そういって走り回っているギルドの人達。

その中には、昨日会ったキルアさんの姿も。

さて、一体何があった。


* * * * *


 何でも支部長のアウレリオさんが、書類整理中に脱走したらしい。

アホか、あの人。

どんだけフリーダムなんだ。

仮にも支部長だろう、こんなんで良いのか。


「頼む、お前強いんだろ?支部長を捕まえてくれよぉおぉおおっ!」


 挙句の果てにはそう懇願してくるギルドメンバー。

……うん、流石に可哀想に思えてきた。

毎日こうなのか、ここは。

少し疑問に思った瞬間である。


 さて、話を戻そう。

アウレリオさんは、変な発明をすることで有名らしい。

あ、Dから始まる題名のアニメの某室長みたいな、ね。

そして彼みたいにストッパーが居る訳じゃないから尚更大変。

そして期待の眼差しで見上げてくるギルドメンバー。

……もしかして、あたしがそのストッパーになるオチ?

うわぁ……。


 そして、彼の発明品の1つの所為で、今回の騒動らしい。

日頃仕事を溜めているから当然だけれど、彼の机には書類の山、山、山。

それを見たアウレリオさんは、脱出用に作っておいた煙玉のようなもので煙幕をつくりだし、その隙に窓から逃走したらしい。

馬鹿だ。


 だったらGPSでもつけときゃいいのに、って思ったけど……うん。

皆さん顔が怖いよ、効果音付けるならそれこそ、くわって感じだよ!

何があったの一体。


「したよ、したんだよ。でもあの支部長、すぐに感づきやがった!」


 アホか。

普段は文句ばっかりな部下から急に贈り物なんて貰ったらそれこそ危ないわ。

そういうのは本人が知らないうちに、本人の所持品につけるもんだよ。

……日本でやったら完璧なる犯罪だけど!

ここ重要だよ!

良い子の皆さんは真似しちゃダメだよ!!

ましてやストーカーなんてもっての他だからね!!!

…ふう。


 さてと、アウレリオさんを探さないと。

聞いたところによると。

今までの出現場所は全て見つかりにくいところらしい。

ちなみに参考程度に言うと。


一回目……ミラッジョ城下町の地下倉庫。

二回目……隣町の樽の中。

三回目……支部の床を改造した秘密部屋。

四回目……本部。


 ……ちょっと待て。

四回目明らかにおかしいだろ!

だって話によると本部と支部は大分離れてるはずだ。

短時間でどうやってそこまで行ったんだ!?

ツッコミどころが多すぎる!!


 もう嫌だこんなの。

無理だろぉ、物理的に考えて。

もうやだこんな常識外の生活。


 でもまあ、探さなきゃこの世界についての把握も出来ない訳で。

そして最終的に困るのはあたしになる。

仕方ない、探すか。

そう呟いて、あたしはゆっくりと歩き出した。


で、数分後。


「迷った……」


 あたしは見知らぬ廊下に居た。

何かこんなのばっかりだなあたし。

方向音痴じゃない筈なんだけど……。

どうしよう、このままじゃ餓死して終わる。

こんな見知らぬ土地で死にたくないよー!!


 そう叫びたい衝動を必死に押さえつける。

うん、大丈夫大丈夫。

まだそうと決まった訳じゃないし。

今まで来た道を引き返せばこれくらい…!


 そう思いながら後ろを向く。

そして……一気に絶望感に襲われた。

帰り道が、消えていた。

前にしか道がない部屋に、あたしは閉じ込められていたのだ。


「……あはは、はは」


 もう乾いた笑いしか出なかった。

洒落にならない事態だろう、これは。

何、もしかして侵入者対策だったとか?

…ついてない、全くもってついてない。


「ん、のぉおぉおおっ」


 帰り道の方向とおぼしき壁を全力で押す。

でも悲しいかな、あたしみたいな帰宅部女子に体力がある訳も無く。

数分後には、床に倒れていた。


「…つか、何なの、これ…。洒落に、なんな、いって」


 途切れ途切れにそんな独白。

一体どうすれば良いんだろう。

進むしか、ないんだろうな。

気は進まないけど。



 結論。

…どうやら進むしかないようです(笑)。


 勿論この通路にはちゃんと意味があります。

主人公の過去にも関係してますよー。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ