Prologue
もしも、突然異世界に迷い込んだら…あなたならどうする?
助けを呼ぶ?それとも折角だから冒険する?
普通だったらその二択だよね。
…でも、もしその選択権すら与えられてなかったとしたら。
人間って、どうなるんだろうね。
もし、トリップできたら。
そういう人って、多いよね。
○○の世界にトリップしたーい、とか。
□□と恋人になりたーい、とか。
あなた達の知り合いにもいるんじゃないかな。
でもさ。
現実にそれが起こったとするよ。
現実は、夢小説ほど甘くはない。
本当に、あれは只の夢なんだから。
もしかしたら、主要人物に会う前に餓死するかもしれない。
もしかしたら、モンスターにやられるかもしれない。
どちらにせよ、命がけなんだ。
それに、残された家族や友人はどうなる?
自分の友人や家族が、突然行方不明になったら、それこそ心配するだろう。
天涯孤独ならまだしも。
そういったことを、きちんと考えて言っているのか?
アンタはそれこそ、家族なんてどうでも良いのか?
そう尋ねたくなる。
世の中そんなにご都合主義で出来ちゃいない。
そんなに簡単に願望として口にするなら、実際にその立場になってみろって話だ。
実際は地獄以外の何者でもないから。
うん、御免。
ちょっと長くなっちゃったかな。
ああ。
別に、アンチ夢小説、とかじゃないから安心して。
単なる八つ当たりみたいなもん。
え、何で八つ当たりするのかって?
……うん。
これは、少し事情があってね。
結構辛いところもあるから、あんまりお勧めしないけど。
それはね――――。
―――――――とある少女の独白より