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第6話 おっさんの暮らし


「か、硬いですね」

「ええ、これは装甲虫と呼ばれる虫で、羽や甲殻が硬い装甲で覆われてる昆虫なんです」

「なるほどー」


 槍豚を狩ったあとも俺とユイカさんはダンジョン探索を続けていた。

 基本的に俺がダンジョンでやる事は、モンスターの討伐ではない。

 一個がそれなりの値段で売れる素材集めである。

 

「こんな硬いのどうやって倒すんですか?」

「あー、これを使います」

「なんですかそれ?」

「これはお香です」

「お香?」


 装甲虫は確かに硬い、だが倒し方はなにも剣で切る以外にもある。


「これは青奪命草と呼ばれるもので、燃やしてでる煙にはあらゆる虫の命を奪う力があります」

「なるほど、その煙で虫を倒すんですか」

「ええ、無理やり叩き割ることもできますが、私の目当てはこの虫の装甲なのでなるべく傷つけたくないんですよね」

「了解です、私にも手伝わせてください」

「いいですよ」


 そうして俺はユイカさんに装甲虫の倒し方を教えた。

 ユイカさんは飲み込みが早く、あっという間に何匹も倒してしまった。


「タツベイさーん!結構倒せましたー」

「おお、やりますねー」


 1時間でだいたい10匹くらいか、なかなかやるなぁ。

 予定では100匹ほど集められればいいかなって思ってたけどこれならもう少し集められそうだな。

 まぁ集めすぎには注意しながらやるけど。

 

「槍豚よりは簡単なので、私はこっちの方が得意かもですー!」

「ええそうですね、でもそろそろ休憩にしましょうか」

「はい!」

「一旦小屋に戻りましょう」


 ダンジョンは地上と比べて心なしか体力の消耗が激しい。

 酸素の量も少ないからだろうが、何よりも緊張感を維持したまま作業をしなくてはならないので、常に気を張った状態になる。

 そのためこまめに休憩を取ることは重要である。


「着きました」

「ただいまー!」


 小屋に着くとユイカさんは元気よくただいまを言って中へ入っていった。

 どうやら隠れ家を気に入ってくれたようだ。


「わんわん!」

「あー!ケルベロスちゃん!ただいまー!」

「どうやらお腹ぎ空いてるようですね」

「そういえばケルベロスって普段何食べてるんですか?」

「え?普通に肉とかだけど」

「へぇ、てっきり生の人肉とかあげてるんだと思ってました」


 確かに人肉をあげることもできるのだが、そうするとケルベロスが人の味を覚えてしまい、人を襲ってしまう危険性がでてくる。

 そうした事態を防ぐため、俺はケルベロスに人肉ではなく槍豚や弓鳥の肉を与えている。


「人の味とか覚えさせると後でケルベロスが人を襲ってしまうからそういうのはあげないんだ」

「こんなに可愛い子が人を襲うわけないじゃないですか!タツベイさんは面白いですね」

「お、おう」


 別に面白いこと言ってないんだけどね。

 ちゃんと説明したつもりなのだがいまいち理解してない感じだな。

 もしかしてこの子はちょっと抜けてる子なのかもな。



「はーい!できたぞー」

「わー、これなんですか!」

「槍豚の肉で作ったシチューとパン、それとさっき歩いてる時見つけた珍しい鉱物のりんご鉱石だ」

「なんですかこのりんご鉱石っていうのは」

「簡単に言えば、りんご味のする鉱石だな」

「へぇ、おもしろいですね」


 そう言ってユイカさんは笑った。

 その眩しすぎる笑顔に俺は思わずクラッときてしまった。

 いかんいかん落ち着きタツベイ、相手はおそらく20近く歳下の子だ、こんなおっさんが惚れていい人ではない。


「ほーらケルベロス、ご飯だぞー」

「わんわん!」


 俺はユイカさんへの感情を抑えつつケルベロスにシチューをあげた。

 明日はもう一層したの層に降りてみるか。


 

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