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第12話 見習いユイカさんのダンジョン暮らし

 「おはようございます」

 「ユイカさん、おはようございます」


 ダンジョン内はずっと暗く朝日は届かない、そのため隠れ家にある大きな時計を使って時間を把握する。

 今は朝7時なので、おはようなのだ。

 ちなみに、ダンジョン内には時計鳥と呼ばれる、朝に2回、昼に3回、夜に1回だけ鳴く鳥がおり、それで時間を把握することもできる。


 「あ、これ朝ごはんですか美味しそう」


 今日の朝ごはんは、今朝見つけた男爵鳥のたまごで作った目玉焼きとパンの木である。

 男爵鳥とは体調約2メートルにもなる巨大な鳥で、隠れ家の近くにある巣から卵を拝借した。

 ちなみに卵は普通の鳥の卵より少し大きい程度で、めちゃくちゃデカいわけではない。


 「ささ、冷めないうちに頂いたちゃいましょ」

 「はい!」

 「それはそうとユイカさん、ユイカさんの職業を決めましょうか」

 「ですよね、一応盗賊という職業は認定をいただいております」

 「なるほど」


 職業とは、戦闘での冒険者の役回りである。

 主に前線で戦う戦士や剣士、後方から支援を行う魔法使い、傷ついた仲間を癒すヒーラー、ダンジョン探索で正しいルートを見つけ出す盗賊。

 以上5つの色がある。

 この5つのうちどれか一つにでも適性があり、王国の認定師と呼ばれる人から認定を貰えれば、晴れてその職業を名乗ることが許される。

 ちなみに俺は戦士と剣士、それとヒーラーの3つの認定を持っている。


 「ただ、盗賊は戦うことを目的とした職業ではないため、戦士の認定もほしいです……」

 「うーん戦士か」


 正直言って、ユイカさんが戦士を選ぶのは現実的ではない。

 戦士は戦うことを目的とした職だが、もう一つ、盾としての役割も必要になる。

 ユイカさんの華奢に体躯では荷が重い。

 

 「やっぱり厳しいでしょうか」

 「そうですね、剣士とかはどうですか?」

 「剣士ですか?」


 剣士には戦士と違い盾の役割はない。

 ただ攻撃をするのみ、この職は男も多いが女もまぁまぁいるし、強くて有名な人もちらほらいる。

 それこそユイカさんのような華奢な体格でめちゃくちゃ強い人を俺は知っている。

 ちょうどいいかもな。


 「ええ、剣士なら俺も認定もらってるので教えられますしここは一つ剣士を目指してみるのもいいのでは?」

 「確かに剣士は魅力的です、でも私ダメなんです、剣技が苦手で、戦士なら剣技が苦手でもなれますよね」

 「まぁなれます、ただ戦士は肉体強化のスキルと、特殊攻撃スキルを身に付けないといけないので、難易度的にはさほど変わらないです」

 「……終わった、終わりですタツベイさん」


 そう言うとユイカさんは床に崩れ落ちてしまった。

 剣技が苦手って、そんなの誰だってはじめは苦手からスタートしてるんだし、何をそんな落ち込んでるんだろうか。


 「いいえ終わっていません、私はあなたの師匠です、朝ごはんを食べたら剣技の練習をしてみましょう、大丈夫ユイカさんならきっと立派な剣士になれますよ」

 「た、タツベイ師匠、わかりました!私やります」

 

 そう言うとユイカさんは立ち上がって席へと座り、黙々と朝ごはんを食べ始めた。

 やる気になって一先ず良かったけど、さてこれからが大変だぞ、なんせ俺は人に教えるのが初めてなんだから。


 朝ごはんを食べた俺とユイカさんは、隠れ家を出て広めの場所へとやってきた。


 「さぁユイカさん練習してみましょうか」

 「は、はい」

 「まずはこれをどうぞ」


 そう言って俺は普通の短剣をユイカさんに渡した。


 「短剣ですか?」

 「そうです、まずは短剣で一通りの剣技を教えてから普通の長物を使います」

 「わかりました」


 この練習法はその昔、俺が編み出したオリジナルの練習法である。

 剣技には大地の剣、海の剣、空の剣、霧の剣の四つの型がある。

 俺が使えるのは大地の剣と霧の剣だ。

 大地の剣は、大振りが多く隙も大きい型だが当たれば相手を一撃で仕留められる攻撃力があり、使い手が多い型である。

 そして霧の剣は、攻撃力は小さいが俊敏性の高い動きで相手を翻弄し的確に攻撃を当てる型である。

 多分だけど、ユイカさんの適正は霧の型にあると思うので、とりあえず霧の型を教えていこうとおもう。


 「じゃあまずは、構えからみてみようか、それじゃユイカさん軽くでいいから構えてみて」

 「はい、こうですか」

 「おお!いいじゃないですか、基本はできてそうですね」


 短剣を構えたユイカさんをみて、俺は驚いた。

 やはりアレイスター家の出身だけあって剣技の基礎の構えはできている。

 これならすんなりと教えられそうだ。


 「ありがとうございます、でも構えだけですよ、私は昔空の剣の型を習った事があったのですが、全然ダメでした」

 「空の剣ですか、なら心配入りませんよ、これから教える霧の剣は空の剣とは違い、非力な人向けの型ですから」

 「非力な人向けの剣……」


 そう言ってユイカさんは首傾げた。

 まぁそうだよな、剣士といえば力で押していくイメージだよな。

 みた感じ、ユイカさん霧の剣を知らないみたいだし、これは教え甲斐がありそうだな。



 

 






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