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第10話 アレイスター家


「とりあえず今日からよろしくお願いします」

「こ、こちらそこよろしくお願いします」


 俺とユイカさんは師弟となり改めて、お互いにペコリと挨拶した。

 晴れてユイカさんと師弟となったわけだが、俺にはユイカさんにどうしても確かめたい事がある。

 それは何故そもそも1人でこのダンジョンへやって来たのかだ。


「すみませんユイカさん、一つお尋ねしてもいいですか?」

「ええいいですよ」

「ありがとうございます、何故ユイカさんはこのダンジョンに1人で来たのですか?」

「え、ああそうですよね、普通気になるますよね」


 そう訊くとユイカさんは、まるで観念したかのように肩を落としまた椅子に座った。

 なんだろやっぱり聞いちゃまずい事だったのかな。


「いや無理に話さなくてもいいので」

「いえ、大丈夫です、話します」

「は、はい」


 そうしてユイカさんはホッと一息ついた。


「まずは私の家柄、アレイスター家について話しますね、アレイスター家はこのダンジョンを管理してるダリアン王国の貴族家系です、そのため私は貴族の娘となります」

「え、そうなんですか」


 まずい貴族の娘だったのか。

 そうとは知らず、結構無礼なこと言っちゃったな。

 それに貴族の師匠ってなんだよ、まずい師匠辞めたくなってきた。


「はい、そしてこのアレイスター家にはとある家訓がありアレイスター家は王国の剣のあれと言われて育ちました」

「国の剣」


 まてよ聞いた事あるぞ、昔ダリアン王国には2本の快刀がありと。

 その2本の内の一本がアレイスター家か。

 でもダリアン王国は確か。


「ただ、それも10年前の反乱で全てが変りました、その反乱でそれまでのダリアン王家から王弟の血筋へと変わり、アレイスター家は除け者となり今では辺境の地へと追いやられてしまいました」

「ダリアンの夜明け革命ですね」


 ダリアンの夜明け革命、これは当時のダリアン国王が民衆を悪政で苦しめていたと王弟が訴えたことで起きた革命である。

 それにより当時の王家は討たれ、代わりに王弟が今の王となった。

 ただ……。


「ええそうです夜明け革命、ただあの革命は全て王弟である、ラルフ・ダリアンの策略でした、悪政なんてやっていないのに当時のダリアン4世にあらぬ罪を着せ、ラルフは王へとなりました、私はラルフを討つべく強くなりたいのです、そのためにこの三級ダンジョンに来たのです」


 なるほど、ユイカさんはダリアン4世の恨みを晴らすべく強くなりたいのか。

 それなら尚更、1人で強くなるなんて無茶だ。


「理由はわかりました、ならもっと早くその事を伝えてほしかったです」

「え?」


 俺はそう言って静かに座った。


「ユイカさんには強くなりたい理由がある、そんな理由がある貴方を私は応援したい」

「タツベイさん」

「やりましょうユイカさん、ここでこの三級ダンジョンで強くなって、今は力が弱くなってしまった王国の剣がまだ強いことを知らしめてやりましょう」

「はい!よろしくお願いします」


 そう言ってまたユイカさんは深々と頭を下げた。

 ユイカさんにはまだ内緒だが、実は俺もラルフには恨みがある。

 これはその恨みをぶつけるチャンスかもしれない、やってやるか。



 


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