第3話 迷宮の廊下
屋敷の奥へと進む蓮と翔は、異常に入り組んだ廊下に出くわした。行き止まりと曲がり角が複雑に絡み合い、まるで意図的に迷わせるかのような構造だ。蓮は間取り図と天井の木目を照らし合わせながら、慎重に進む。
「ここ…どうしてこんなに行き止まりが多いんだ?」蓮が呟くと、翔は静かに手を差し伸べる。「影に注意しろ。迷路に潜む異形がいるはずだ。」二人は呼吸を合わせ、影縛りや風翔脚を駆使して進む。
突然、廊下の一角に異様な影が浮かび上がる。蓮は瞬時に影斬りを放ち、影を貫いた。だが影は消えることなく、霧のように散らばり、次の動きに備えているかのようだった。翔は風翔脚で廊下の先を飛び、罠を見極めながら二人を導く。
廊下の壁には、古い絵画がいくつも掛けられていた。風景画や人物画は一見普通だが、蓮は視線を細かく走らせ、微かに動く影や不自然な描線を感じ取る。「この絵…生きてる?」蓮は小さく呟いた。翔も頷き、慎重に足を進める。
やがて二人は、間取り図に記されていない隠し扉を発見する。扉を押すと、床下に通じる狭い階段が現れた。古の因習がこの屋敷に残した迷宮の奥深く、未知の空間への入り口だ。
蓮と翔は互いに視線を合わせ、静かに頷く。この廊下を抜ける先には、さらなる謎と危険が待ち受けていることを、二人は直感で理解していた。闇の中、屋敷全体が二人の動きをじっと見守るように静まり返る。




