異世界で魔力の蛇口になってしまった
翌ある異世界転移物です。
とはいえ、異世界の活躍を書き始めると何というか既にどこかにある話しか書けない気がしますので、導入だけで止めております。
ある程度のストーリーが思いついたら続き書こうかなあ
朝起きるとなんか白い部屋にいた。
意味が分からないと思うが、俺にも訳が分からない。
「ようやく起きましたね、●×さん。」
急に声を掛けられたため驚いてそちらの方を向くとなんか白い人?がいた。
なんというか、見えてはいるのだが記憶に残らない姿?
見えてはいるんだけど視線を外した途端にどんな人か分からない、そんな存在がそこにいた。
「あなたには私の管理する世界に行っていただきます。」
!!
いわゆる異世界転移か!!
こう見えてなろう系は嗜んでいるぞ、異世界転移するならどんなスキルが良いかと妄想したことも1度や2度じゃない。
「異世界転移。
ということは私は死んでしまったのですか?」
「いえ、死んではおりませんよ。
死体を界渡りしたとしても何の意味もありませんからね。」
え?いや確かにトラックにひかれた記憶も倒れた記憶も無いけど...
というか、昨日仕事が終わって布団に入ったことまでしっかり覚えているぞ。
「そもそも、生き物は死んだら終わりですよ。
#$%&◎×様との相談で適当に選んだ方を私の世界に移し、#$%&◎×様の世界で使われず消費されない魔素を私の世界に移すこととなりました。このため、あなたを私の世界に移しあなたを通じて#$%&◎×様の世界の魔素を移送致します。」
「#$・・・なんと仰いました?」
「#$%&◎×様です。ああ、人間では聞き取れないのですね、まあ、あなたの世界の神だと思っていてください。」
?????
どういうことだ?
地球の魔力を異世界に移す?
地球の神様が?異世界の神様で?魔素?魔力を移送?
全く意味が分からない。
「ふむ、察しが悪いですね。
それでは最初からもう一度説明致します。
「#$%&◎×様の世界、まあ貴方のいた世界ですね。ふむ地球と行った方がわかりやすいですかでは地球と呼びましょう。
地球では魔素まあ、地球では魔力と呼んでいるようですがを消費する者はごくわずかしかおらず、魔力が余りがちです。このため、昨今では魔力が貯まりすぎ異常気象などが起き始めてて色々弊害が出てきてるとのことです。
私の世界、ナルロというのですが、ナルロでは逆に魔素を使う者が多く魔素は常に枯渇気味。一部魔素を糧にしている者などは生存を危ぶまれる状態になっています。
このため話し合った結果、地球の魔力をナルロへ移してしまおうと言うことになりました。
その基点として貴方が選ばれたと言うことです。
ここまでは理解できましたか?」
「そのう、魔力?が余っている地球から、魔素が足りないナルロに魔力を移すことは分かったのですが、そこで私が出てくることが分かりません?」
正直、色々超展開過ぎてわけが分からない、地球に魔力があるというのも初耳だし消費する者が少ない?というか居るのか...
異世界ナルロは魔法使いが普通に居る世界なのか?魔素が枯渇していると、まあ余っているところから足りないところに移すというのはわかりやすい話だしやれば良いじゃんとは思うけど、なんで俺が関わってくるの?
「ああ、簡単ですよ。私たちが地球の魔力をこう、すくい上げてナルロに落としたとすると、地球の魔力をすくい上げたところとナルロの魔素を落としたところが破壊されてだれも住むことが出来ない土地ができあがるので、もっと小口で時間掛けて移送しようと言うことです。
貴方を地球からナルロに移せば地球からナルロへの道が出来ますので自然と魔力が流れていくようになるのですよ。」
分かったような分からないような..
「いえ、なぜ私が選ばれたのかと言うことなのですが?
物語などでは、丁度そのタイミングで私が死んだからとか言うのが定番だと思ったので。」
「貴方が選ばれた理由ですか?
ありませんよ。たまたまそこに居たからです。
言ってしまえば目に付いたから、それに先ほども言いましたが、死んでしまわれた方を転移させても意味がありません。
生きている方だから意味があるのです。」
「あのぉ、そうすると地球での私はどうなるのでしょう?」
「どうもなりませんよ、急に居なくなるだけです。
それはそうですよね、ナルロに行くわけですから居なくなります。」
「いや、私が居なくなると多分ですけど色々問題が生じると思うんですよ。
両親とか心配するでしょうし、仕事も投げ出すことになるわけですけど。」
「問題、生じますかね?
#$%&◎×様は割と放置系だと聞いておりますので、多分なにもフォローはされないと思いますよ。
ですので、貴方がいなくなるだけ、貴方のいた場所の周りで少し騒ぎが生じるかもしれませんけど100年もしたらだれも気にしなくなりますよ。」
100年とか、それはそれだけたてば気にする人も死んでしまっているでしょうど。
「それでは、これからの説明を続けさせていただきますす。」
「この後、貴方はナルロに移動してもらいます。
移動した直後から地球の魔力が噴き出し始めますのでこの魔素を拡散させるために、貴方にはあちこち移動していただきます。
移動する場所に関しては基本的にお任せですが、あまり一カ所というか同じところに留まられて魔素が貯まりすぎますと貴方を削除して新たな人を選別する必要がありますのでできるだけ広範囲に移動してください。」
「へ、削除って....」
「はい、魔素が貯まりすぎますと現状の地球と同様に気候変動など弊害が起きますので、こうなると貴方を削除して別の方を呼び出す必要が出てきます。
割と手間のかかる作業ですので、できるだけ遠くまで移動していただけると助かります。」
「削除って、殺すと言うことですか?」
「ああ、殺すというと語弊がありますね、存在を消させていただきます。
そのときの衝撃でできるだけ魔素が飛び散るようにしますので後のことは気になさらなくて結構ですよ。」
「その、それは殺すのとどう違うのでしょうか?」
「ああ、普通に死んだ場合は輪廻の輪に戻ります。
しかし貴方の場合、戻るべき輪廻の輪は地球にありますので、ナルロで死んでも輪廻に戻ることが出来ません。
このため、存在自体を消去してしまうわけです。
ああ、ご安心ください、地球の輪廻の輪が足りなくなるとお思いだと思いますが、貴方一人くらい減ったとしても輪廻の輪に影響は及びませんし、ある程度影響が出るようになったら私と#$%&◎×様とで調整致しますので気になさらなくて大丈夫ですよ。」
ニコって笑われても怖いわ。
つまりあれだろう、普通に死ぬのよりひどい事になると。輪廻の輪なんて分からないけど輪廻転生するところが抹消される...こわ。
「あの~そういうことであれば、この件は無かったこととしてお断りさせていただきたいのですけど...」
「ああ、大丈夫ですよ。
貴方に選択権はございませんので、安心してナルロに移っていただければそれで十分です。
ただ、先ほども言いましたとおりできるだけ移動し続けていただけると助かります。すぐに新しい方にとなりますとあちこち調整が大変ですので。」
うわーこれはあれだ、言葉は通じるが会話が出来てないというやつだ。
「次にですね、一応すぐに死んでしまわれると困りますので貴方には不老不死になっていただきます。
ついでに体の一部が欠損されるような攻撃を受けるとその欠損部位に応じた衝撃が貴方の周囲に展開されますので、できるだけ攻撃は受けないように立ち回っていただけると助かります。
あ、貴方の体の再生とかは地球から送られてくる魔素でまかないますので、これもまた気になさらなくて良いですよ。
ただ...頭というか脳ですね。これが破壊されますと一旦は再生されるのですがその時点で記憶とか色々跳んでしまいますので...こうなると私の方で貴方を消去せざるをえなくなります。
少し面倒くさい処理になりますので、頭だけは破壊されないよう注意してくださいね。」
「欠損...周囲に衝撃とはどういうことでしょう?」
「多分ですけど、現時点の貴方に戦闘能力は皆無だと思います。
そんな中、魔物とかに襲われるとそのままどうしようも無くなると思うのですよ。
例えば魔物に襲われて、腕を食いちぎられたとします。その場で腕が修復されても魔物がそこに居ますのでまた襲われて状況が変わりません。
そこで、魔物などに襲われた際に受けたダメージ、この場合は欠損した部位の質量で計算しますけど、その欠損部位の質量に応じた衝撃波を周囲に発生させることにしたのです。
そうすれば、貴方を襲った魔物などはその衝撃波で死んでしまいますので以降襲われることも無く、貴方は旅を続けることが出来るというわけです。」
「つまり、攻撃を受けてダメージをもらうと周辺を破壊すると....」
「わかりやすく言えばその通りですね。
周りに居る危険の度合いが分かりませんので、受けたダメージつまりは欠損部位の質量で周囲の脅威度を判断致します。
より多くの質量が失われるほど周りに発生する衝撃波は強くなります。
あ、そうだ、確かダメージを受ける前にこれくらいのダメージを受けると自ら受け入れていた場合は発生しないようになっているそうです。
たしか、爪とか髪を切るときにも発生しかねないのでその対策だと仰ってましたよ。」
「はあ、というか腕とか飛ばされたらその時点で私の人生終わりそうなんですが....」
「あ、ご安心ください。腕の一本くらいなら地球から送られてくる魔素でほんの数分で元通りになりますよ。
安全ですね。」
「はあ、それが不老不死という事でしょうか?」
「はい、よく分かっていただけてうれしいです。
老化等のダメージもすぐに魔素で修復されますので一生病気知らず怪我知らずですよ。」
いや、それは怪我知らずとは言わない、怪我をしないわけでは無くただ直るだけ、おそらくだけど痛いのは変わらないのでは?
「いや、理解が早くて助かります。
以前の方はなぜかなかなかご理解いただけなくて十分に説明したはずなんですけどね、イヤだとか行きたくないとか叫ばれて結局タイムアップで向こうに行かれたんですよ。十分な説明もなしに行かれたせいか500年くらいで魔物に食べられて死んでしまいまして。」
いやそれ、絶対理解した上でごねてただけだろう。
そしてごねても時間がたてば強制連行されると。
「魔物にためべられれば死んでしまうのですね。」
「ああ、厳密には違います。
魔物に食べられると脳まで消化されてしまいますので、糞として排出された後に私の方で処分するか達ですね。
どうやら俺は魔力/魔素の蛇口に指名されたらしい。
拒否権もなしで不老不死の体つき。
チートと言えばチート付きだが思っていたのと違う!!
誰かなんとかしてくれ!!
「それでは、説明も滞りなく終わりましたので、そろそろナルロに行ってもらいますね、
良い異世界ライフを。」