NEO黒船
「そうか。ゼアーに戻るのは難しいか…。センドウ三佐引き続きGLZIの見張りを頼む。」
「はい分かりました。」
「きりざめは日本に帰投する。そして徳川玄平に全てを話す。」
「良いんですか?」
「どうせ既に米国海軍の艦隊が横須賀辺りまで進出して、NEO黒船をウィルカーソン大統領は展開させているはず。」
「NEO黒船…。」
「とにかく急ぎで日本に帰投せねば。」
それから3ヶ月後…。ディス歴1890年3月11日きりざめは日本に帰ってきた。海野一佐の言う通り、横須賀には米国海軍の艦隊が列をなしてワンサカいた。そして驚く事に徳川玄平は、外圧に負けたのか、横須賀に米国海軍の基地を建設する事を許可し、既に工事は着工していた。
「遅かったか!」
海野一佐は苦虫を噛んだ。
「それより玄平の元へ向かわねば。」
忘れていた訳ではないのであるが、これでは状況がゼアーと似通ってしまう。海野は大急ぎで、江戸城に向かった。
「お、来たか!海野一佐。待っておったぞ。」
「玄平様、これは一体どうゆう状況ですか?ウィルカーソン大統領の圧力ですか?」
「ウィルカーソン?はて?ワシの所に来たのはブレイディ米国海軍大佐だけだが?」
「何か署名にサインされましたか?」
「ああ。日本の皆様を御守りします。と言うからついサインしてしまったよ。」
「それはどんな内容でしたか?」
「英語で書かれていたからな。内容までは分からなかった…。」
海野は激怒した。
「勝手に政治判断をせぬようにと、渡米前に口すっぱく言いましたよね?」
「すまん。だがこれは日本を守る為のチャンスだと思うてな。悪気は無かった。」
「玄平様の勝手な判断が、米国の日本支配に御墨付きを与える結果となったのですよ?」
「だがな海野?米国海軍が日本の領海を守ってくれているから、ロシアや英国の船は寄り付かなくなったぞ?」
「過度な外圧を無くせたのは、ワシントンD.Cで、私がウィルカーソン大統領と会談したからです。本来なら米軍の受け入れはそれからでありました。只とりあえずこれで日米の戦争の可能性はほぼ無くなりましたが、ロシアや清国との戦争の可能性が高まりました。」
「そんな事を言われてもな…。」
「これじゃあゼアーと一緒じゃないか!」
「どういう意味だ?」
「結果的にはディスもゼアーも米軍の受け入れを止められなかったと言う事です。ただ幸運なのは、無謀な戦争の経験がないという事であります。」
「ゼアーでは、英国、ロシア、中国とも戦争をしました。しかしそれは失敗だったと教えられました。全ての虚悪は大日本帝国にあるのだと。しかし、それは嘘です。大日本帝国は高まる外圧に耐えられなくなり、富国強兵を政策として進めたのです。そう、玄平様が簡単にサインした様にゼアーの日本は戦争をしたのです。」




