最恵国待遇
流石にセミスゥイートは諦めて、予約を取り消し素泊まりの、シングル200ドルの部屋に変更したきりざめの4人は眠れぬ一夜を過ごした。
翌朝…。
「お前らよく眠れなかったみたいだな?」
「海野艦長こそ、目の下にクマが出てきてますよ?」
「そうか…。今何時?」
「AM8:30です。」
「腹へったな、朝飯行こうぜ。」
ムシャムシャムシャ。
「つーかよ。ロナルド・ウィルカーソン大統領が同盟話に困ったらどうする?」
「そこは押しきるしかないだろ?」
「と言うよりも、米国はゼアーでもそうだった様に真っ先に日本を開国させたい国でした。それはディスでも変わっていないはずです。だから大統領が我々の要求を飲まないと言うオプションは有り得ないのです。」
「通訳もいないのに大丈夫かよ?」
「そこはこのトリタニにお任せ下さい。」
「行けるのか?」
「行けるのであります。」
「まぁ、トリタニ三曹は横須賀での実績もあるし、自信があると言うのなら任せようではないか。」
「センドウ三佐、サカモトハワイ州知事の書状を見せてくれ。」
「こちらです。」
「何て書いてある?」
「全文英語ですね…。」
「自分が読み上げましょうか?」
「頼む。」
「敬愛なる米国大統領様。この度は日本国からの海軍士官達が無礼をはたらくかもしれませんが、このサカモトの顔に免じて許して下さい。ワザワザ、ワシントンまで来たのは、米国と同盟関係を結ぶ為です。NEO日本海軍の力は、しかとご存知かと思われます。清国及びロシアとの戦争を抑止する為にも、米国の有する陸海軍の力をお借りしたい。もし米国が日本と同盟を結んだ暁には、米国を最恵国待遇とし、貿易等で優遇致します。それだけではなく、日本に米軍基地を建設し、インド太平洋の起点となる事を御約束致します。よーくお考えになり、答えを出されてください。私からは以上です。後は使いの海軍兵士達に御聞き下さい。サカモトケイタハワイ州知事より。」
「何だこの内容は!?」
「サカモトの野郎勝手に決めやがって?」
「まぁ、落ち着きましょう。」
「なぁーにが最恵国待遇だ?これじゃあゼアーと同じではないか?」
「米軍の基地を建設してと言うのも解せないですね。」
「でも、サカモトさんの狙いは大統領の政治決断ですよね?だとしたら、これだけのアメをちらつかせてムチがないのはおかしいと考えても不思議ではないはずです。」
「そうだよな?決めちまったら後には引けないはず。」
「後出しジャンケンかよ?」
「とは言え、サカモトの言う通り同盟を組むなら、日本国内に基地を建設したいとは言うかもな。」
「清国やロシアと戦争をするよりはましじゃねぇか?」
「それはそうなんだけどさ。どこかでムチを入れないと、ゼアーの二の舞になりかねないって。」
「まぁ、まずは条約を結ばせようよ。」
「そうだよな。後出しジャンケンは気が引けるけどな。」
「うん。」




