薩摩海軍元帥の願い
帰れない俺達のいた世界。それでも走り行くこちらの世界。俺達は一体何者なのだろうか?
「勝さん、見てくれていますか?日本はゼアーよりも平和で、市民生活も向上し貧乏人は少なくなりました。ですが、徳川の世は玄平様の代で終わりかもしれません。市民の不平不満は今やボルテージMAX。いつ市民革命が起きてもおかしくありません。デモクラシーの流れはゼアーの世界の方が、ディスよりももっと早く起きていました。その時代の変わり目に立ち会うかもしれない老兵の嘆き…。届きませんよね?」
「海野艦長?御客人です。御通ししてもよろしいですか?」
「客人?通してくれ。」
「おはんがNEO日本海軍の総元締めか?」
「貴様、名を名乗れ。」
「すまん。名乗り遅れた。おいは薩摩海軍元帥のサイゴータカモリの長男サイゴーカタモリと申す。元帥の補佐で中将を兼ねておりもはん。」
「え?誰??」
「まぁ、それは良い。サイゴータカモリはまだ元気か?」
「はい。高齢になりましたが、ピンシャンしております。」
「本日は父より文を事ずて横須賀に参りました。」
「文?」
「短文なので私が代読させて頂きます。」
「拝啓きりざめ艦長海野玄太郎殿。薩摩海軍の事は知っておるじゃろうか?南は奄美大島北は山口県(長州)までの海域を異国から守っている。じゃっどんどうしてもNEO日本海軍には敵わん。そこでじゃ。手を組まぬか?同じ日の本を守る組織同士いがみ合う意味はない。良識ある返答を期待する。敬具。」
「と、父は申しておりますが、昨今西日本では外圧が酷く砲撃事件も多発。このままでは異国に西日本を壊滅させる戦争が起きるかも知れません。」
「次から次へと困ったのう。私の一存では決めかねる故に第16代将軍徳川玄平様に決めて貰おう。と言う事であり、今日の所はお帰り下さい。2、3日で返答をします。」
「分かりました。良い返答を期待しています。」
「と言う次第にございまして、玄平様いかがなさいましょうか?」
「争う理由はない。いがみ合ったのも今は昔。即座にNEO日本海軍の傘下に入る様に伝えろ!」
「は!」
「って事だ。薩摩海軍はNEO日本海軍の傘下に入ってもらう事になった。」
「やはり対等な関係とはならぬか?」
「階級等の調整は、即座に行う。尚、現状ある薩摩海軍の艦艇と装備を確認したい。」
「構わぬが…。」
「これは玄平様の命令だ。」
「一緒に来てくれ。」
「良いだろう。この目で確認してやる。」




