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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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観艦式さえなければ…

 きりざめがゼアーでTSPした時は、この艦にとって、否海上自衛隊にとって特別な意味のある日であった。悔しくも4年に一度の観艦式の日であったのだ。規制はあるが、一般見学も可能だ。自衛隊幹部は無論の事、首相や防衛相等、政権幹部が乗船する海上自衛隊にとっては正にビックイベントである。不幸中の幸いか、きりざめには首相や、防衛相はきりざめには乗船していなかった。

 きりざめには普段乗船する事はあり得ない人物が乗船していた。航空自衛隊のオカムラタカシ航空幕僚長と、サカガミハジメ空将補である。オカムラ空幕長は、防衛大学校から幹部学校を経て、若手初級幹部航空自衛官の登竜門である"AIR "(戦闘機編隊長育成課程)を修了。その後防衛省に出向しキャリアを積み53歳の若さで航空自衛隊の制服組トップである航空幕僚長に就任し、航空自衛隊改革に勤しんでいる。

 サカガミハジメ空将補は、東京大学出身のB幹であったが、努力を重ね51歳の時ブルーインパルス隊隊長になり、53歳で空将補になった。

 「ここは?」

 「大丈夫ですか?オカムラ空幕長?」

 「サカガミ君、ここはどこだ?」

 「どうやらTSPしてしまったみたいですね。」

 「TSP?」

 「過去にタイムスリップと言う意味です。」

 「おい、サカガミ君、あれを見ろ!戦艦大和と戦艦武蔵とイージス護衛艦きりざめが係留されているぞ?どういう事なんだ?」

 「行ってみましょう。」

 「オカムラ空幕長!?」

 「海野一佐、状況を説明してくれ。」

 「ここは1867年5月の幕末です。何故か観艦式に参加していたイージス護衛艦きりざめとその搭乗隊員だけがTSPしてしまいました。」

 「何故、大和と武蔵がいる?」

 「それは我々にも分かりかねます。何とかコミュニケーションをとろうと、既にTSPしていた隊員達を数名ずつ派遣しています。」

 「帰還する方法は?」

 「分かりかねます。現状は幕臣勝海舟の元に入り、徳川幕府の海軍として存在しています。」

 「それでは倒幕されてしまうではないか?」

 「考えてみて下さい、オカムラ空幕長。きりざめに大和に武蔵。明らかに薩摩・長州の海軍力を上回っているのです。海戦では絶対負けません。」

 「だとしても、内戦は避けられないのでは?」

 「徳川幕府は我々のいた世界よりも(ゼアー)早く大政奉還を果たしています。」

 「では、きりざめや、武蔵、大和は、サバク派についておきながら、倒幕派の言いなりになるのか?」

 「ご安心下さい。薩摩も長州も内戦に使う武器を捨てさせました。」

 「薩摩・長州が武装放棄だと?」

 「どういう事なんだ?」

 「オカムラ空幕長、新しい世界が待っているのです。」

 「この世界は(ディス)ゼアーとは違う未来を歩むのです。」

 「マジか…。」

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