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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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恩義のペニシリン

 ホンマヒデヒコ一等海士は24歳。大卒入隊だが、二度の留年歴があり、成績は優秀とは言えず、自衛官候補生からのスタートとなった。亡くなった祖父が日本海軍の潜水艦の艦長をしていた縁もあり、海上自衛隊を選択したと言う。彼のポテンシャルを持ってすれば、C幹ではあるが、祖父と同等の一等海佐も、夢ではない。まぁ、本人の努力次第だが…。

 ミナミツヨシ一等海士は、実家がラーメン屋を経営しており、ガキの頃から店の手伝いをしていた。得意料理は中華料理全般である。とは言えこれ等は全て素人の域を出ておらず、なんちゃってと言う奴であった。いずれにせよ、きりざめクルーの中で調理が出来る立派で貴重な炊事隊員であり、即きりざめの厨房に入る事になった。二人の隊員は江戸・築地をふらついていたところを、カイドウ三佐に見つけられた。

 「またマル任(任期制自衛官)か…。」

 「そう幹部ばかりとは行きませんよ。」

 「まぁ、それはそうだな。」

 「ミナミ一士は料理に精通していると言うから、不味い飯ループからは解放されますよ?」

 「ったく、海幕(海上幕僚監部)はどういう人選をしているんだ?なんて嘆いても、今は海幕等無いがな。」

 「海野艦長、全ての隊員がそろったら、どうなされるつもりですか?」

 「大和、武蔵と共に薩摩・長州を倒す。」

 「良いんですか?歴史を変えて?」

 「所詮勝さんも幕府の人だ。これだけ世話になっておきながら、倒幕に加担は出来ん。それにきりざめには新選組隊士が83名も乗っているんだ。彼等も倒幕には猛反対するのは目に見えている。」

 「もうどちらについても、ゼアーと同じにはならなそうですね…。いっそ逃げますか?」

 「やめんか、ソウジ!」

 「すみません。生意気言って。」

 「でも、ヒジカタさんだって同じ想いじゃないですか?」

 「怒るぞ、ソウジ?」

 「無我夢中で戦って、これから薩摩・長州と戦おうって時に、あと一歩って所まで迫りながら江戸に引き返せと言われた無念さが、海野一佐には分からないんですよ。」

 バシッ‼

 「いい加減にしろソウジ。」

 「コ、コンドウさん!?」

 「あの時江戸に戻れと命じたのは、トクガワヨシノブ様じゃ。我々新選組は鳥羽伏見で壊滅的な被害を被ると知っていた海野一佐に助けられたんだ。」

 「何言ってんすか?コンドウさん!」

 「もう昔とは違うんだよ。分かってくれソウジ。」

 「そりゃあ海野一佐には感謝してますよ?ペニシリンがなけりゃあとっくにあの世行きでしたからね。しかし、戦いもせず何もしないのは、死ぬのも同じ。」

 「見方によっちゃあソウジの言う通りだ。だが、これからどうなるかを見届けるのも生き長らえた者の責務じゃないのか?」

 「っく!…。」

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