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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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新選組のワガママ

 ムラタオサム海士長は、高卒後一旦一般企業に就職したが、2~3年勤めたが馴染めず自衛官になった社会人経験のある隊員である。広告代理店のエースが自衛隊に転職するのは珍しい。年下の隊員が上官であるケースも多く、その事についてはコンプレックスを抱いていたが、もう慣れた様である。

 ハットリタクマ二等海士は、高卒入隊1年目で教育隊での教育課程を修了したばかりのペーペーである。高校までは野球少年だったが、その努力甲斐も虚しくベンチウォーマーに終わった。防衛大学校受験も考えたが、自分の学力が明らかに不足していた為に断念した。二人は横須賀で発見され、約2日をかけて江戸晴海埠頭に到着した。

 「おう、待ってたぞ、ムラタ士長にハットリ二士。」

 「海野艦長、これで126名を確保致しました。」

 「うむ、順調だな。」

 「で、艦外にいるのが、イベ、アダチ、エサキ、エグチ、ナミノ、トリタニ、カイドウの7名。」

 「別艦、臨艦丸で待機させている新選組隊士が83名。残りのきりざめクルー24名を収容しても、キャパオーバーにはなりません。」

 「そうか。このまま、新選組を収容しても問題無い…。それもまた運命か。とりあえず、勝さんの指示通り新選組には、臨艦丸にいてもらおう。」

 「海野艦長、そういやぁ新選組の頭のコンドウイサミが艦長に話したい事があるって言ってましたよ?」

 「何?それは誠か?」

 「はい。食料を届けた時でしたから最近の事ですよ?」

 「早く言わんか?」

 「申し訳ありません。」

 「直ぐ支度をしろ。コンドウイサミに会いに行く。」

 「しかし、本日の予定が…。」

 「そんなものは後回しだ。」

 「おお、これは海野一佐!ささ、狭苦しい所ですが、どうぞ。」

 「で、私に話したい事とは?」

 「はい。折角与えて貰ったこの臨艦丸が、狭くて暑いと隊士からは不評でして、あのデカイ船に(きりざめ)乗せろと言って聞かぬのです。」

 「定員100名の臨艦丸に83名の隊士が乗っている訳ですから、確かに広くはないのはこちらも承知しております。」

 「幸いきりざめには充分なスペースがあります。コンドウ局長さえ宜しければ臨艦丸から移ってもらっても構いませんよ?」

 「それは吉報。是非移艦させて下さい。」

 と言う訳で同じ屋根の下で、あの新選組がきりざめに合流する事になった。

 「そうか。臨艦丸はもう不要なのだな?」

 「勝さん、申し訳ありません。」

 「海野一佐、君が気にする事ではない。」

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