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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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絶対防御

 タベマサヒコ三等海佐は防衛大学校卒業の39歳で、趣味はカラオケ。妻と二人の子供の四人家族で、隊舎とは別に家を持つ。きりざめの副水雷長で、若いがしっかり仕事の出来る男である。ハナダコウジ二等海尉は防衛医科大学校卒業の28歳。妻と子供一人の家族で、幸せに暮らしていた。ハナダ二尉はきりざめに配属されてまだ三ヶ月。こんな事態に巻き込まれてもハナダ二尉はゼアーに残して来た家族を心配しながらも、きりざめの数少ない医官として活躍が期待されていた。幸い江戸近辺にTSPしていた二人の隊員は、きりざめ本隊にわずか二日で合流する事が出来た。

 「きりざめにペニシリンのストックがあったので、オキタさんの結核を直す事が出来ました。」

 「ハナダ二尉のお陰で、元気全快また任務に戻れます。」

 「それはなりませぬ。折角生き長らえた命を粗末にしないで下さい。」

 「ハナダ二尉?私にはまだ死ぬ前にやっておかねばならぬ任務があるのです。」

 「オキタさん。確かに貴方は新選組一番隊の組長です。若い年少の頃から、コンドウ局長やヒジカタ副長の元で、その実力を遺憾無く発揮してきた。戦いが貴方を成長させた。」

 「分かっていますよ。でも、これから始まる薩摩・長州との戦いには何があっても、参加したいのです。」

 「きりざめは貴方を死なせません。きりざめの全能力を解放してでも新選組や徳川幕府を絶対防御するでしょう。」

 「そんな力がこの船には秘められているのですね?」

 「ハナダ二尉、その辺にしておいてやれ。気持ちは分かる。自分が助けた人の生死に執着する医者の(さが)を。」

 「タベ三佐!?」

 「ゼアーでの死に方をディスでは、しなかったんだから、良かった位の感覚で良しとしようぜ?そこまではいくら医者でも、背負いきれないし軍医なんて勤まらんぞ?」

 「はい。そうですよね。では、私は戻ります。」

 「絶対生きてまた会いましょう!ハナダ二尉。」

 「オキタさん…。はい!」

 「これで良かったんですよね?」

 「ああ。ディスでのボシン・ウォー(戊辰戦争)には、徳川幕府海軍の戦艦武蔵、戦艦大和の昭和の日本海軍最強の艦等が、京都の舞鶴から伏見方面に艦砲射撃を実施すると海野艦長から聞いたが、まだ武蔵は江戸にいる。マジでそれがガセじゃないとしたら、薩摩・長州軍には大打撃だろうな。兵士が集まり次第江戸から舞鶴へ太平洋から日本海へ出兵するそうだ。」

 「やっぱどうしても、ディスのボシン・ウォーには我々は介入せざるを得ないのですね?」

 「仕方ないだろう?海野艦長の恩人が幕府陸軍大将の勝海舟なんだから。」

 「マジですか?それはどうしても幕府を裏切れない訳なんですね。」

 「勝海舟は大和や武蔵の行方不明兵士の捜索にも私財まで投じてる。とんでもねぇお人だよ。」

 大和や武蔵の兵士もきりざめの様にTSPした場所が一定ではないと言う報告が上がっていたのであった。

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