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頼りない代理艦長

 「だから、自分は薩摩・長州とは何の関係もないって。」

 「では、海上自衛隊とは何なのだ?」

 「分かりやすくいやぁ海軍だな。」

 「我が幕府も艦隊を保有しているが?」

 「あー。あんたら下っ端じゃ駄目だ。」

 「何だと‼?」

 「勝さんを呼んで来い。」

 「そういやぁ昨日逮捕したオノとオニザキって奴も同じ様な事を言っていたな。」

 (まさか、オノ二曹とオニザキ三曹捕まったのか?)

 「おい、貴様今すぐに幕臣勝海舟を連れて来い。オノとオニザキも連れて来い。皆、仲間だ。」

 30分後…。

 「ったく手荒いな。」

 「確認が取れた。牢屋から出してやる。」

 「あ、イベ士長!」

 「元気そうだな、オニザキ三曹。オノ二曹は?」

 「あっちの牢屋っすよ。」

 「離せよ!もう解放されたんだ、あ、イベ士長!」

 「相変わらずだな。離してやってくれ。」

 「何だ。貴様ら知りあいだったのか?」

 「だからそう言ってんじゃないか。」

 「勝さん、来るの遅いですよ。」

 「すまんな。治安維持の為のポリスメンを大量動員して、擦り合わせるのに時間がかかってしまったのだ。で、これで何人だ?」

 「ここにいる2名を含めて計10名になります。」

 「150名いるんだろ?気が遠くなるな。」

 「塵も積もれば山となるですよ。」

 「あと140人かぁ、ま、頑張れよ。」

 オニザキ三曹は、イベ士長より入隊が遅かった為、階級はオニザキ三曹の方が上なのだが、オニザキ三曹はイベ士長に頭が上がらない。189㎝の体格は、欧米人にも負けない体格だったが、筋トレが大嫌いだった。好きな食べ物は肉類全般。唯一食べられない物はゴーヤであった。スイーツ好きのオニザキ三曹にしてみれば、ゴーヤは仮想敵国と同じ様であった。

 一方、オノ二曹は170㎝とあまり大きくはないが、空手をやっていた為、徒手空拳には自信がある。高卒入隊の彼は出世に興味がない。F番(釣り)が好きで、よくタイやブリを釣り上げては厨房に持ち込んでは、食している。他にも将棋が好きだが、若い隊員は将棋を知らず、最近はあまりしていない。出身は北海道で、新じゃがやチーズには目がない。中学生までバスケ部だったこともあり、NBA観戦も趣味でいつか本場米国で見たいと思っている。

 「あーあ。こんな仮住まいじゃなくて、あの狭くて男臭いきりざめの方がよっぽどマシだぜ。なぁ、オニザキ三曹?」

 「あ、はい。」

 オニザキ三曹はオノ二曹の舎弟である。良くも悪くも二人は持ちつ持たれつの関係を保っている。

 「艦長は今、横須賀に出張中だろ?じゃあ階級最上位のこのオノ二曹が代理艦長をやってやる。おし、牛鍋や、食いたい。」

 「オノ二曹、この緊急時に何言ってんすか?」

 (オニザキ三曹よく言った。)と思う部下達。

 「折角、幕末に来たのに…。」

 「代理艦長、しっかりしてください。」

 「ビラを巻けない以上艦長をwait(待つ)しかねーな。むやみに行動した結果がこの様だ。幕末ライフを謳歌する位の余裕がねーとな。」

 「そんなお金どこにあるんすか?ここは我慢だって自分で言ってたじゃないすか?」

 「牛鍋より今はきりざめクルーですよ?本気でしっかりして下さい。」

 (あーあ。早く士官クラスのクルー戻って来てくれないかな。オノ二曹じゃあ話にならん。)

 やっとJAPANを出られたかと思えば幕末にTSP。来てみたら、何もしてないのに罪人扱い。本当に勘弁してくれ。横須賀に出張している海野一佐の一日も早い帰還が望まれる所であった。

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