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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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臨艦丸

 アラガキリョウスケ二等海尉は51歳。高卒入隊の叩き上げ士官だ。F番(釣り)が得意で、遠洋航海の時等にはその腕が重宝する。きりざめの数少ない初期メンバーである。ホシノアイイチ三等海尉は防衛大学校卒業のエリートで、学生時代はバスケットボールに熱中していた。防衛大学校バスケットボール部にも所属していて、エースとして活躍していた。焼き肉と女子が好物の肉食系男子は、モテるタイプで彼女がいなくて困った事はない。と言う憎たらしい男である。二人の隊員は、執拗に新選組にマークされていた。

 ディスでは、新選組は京から江戸へ本拠地を移そうとしてるからと言うのが、その理由らしい。どうやら薩摩・長州が本気で、関西圏を狙いに来たらしい。見廻り組も新徴組も京都からは撤退済みだと言う。

 「どうですかアラガキ二尉、一緒に江戸に行きませんか?」

 「しかしなヒジカタさん、我らには金がない。そう言ってくれるのは嬉しい限りなんだがな。」

 「お前達と我々新選組が相入れないのはそれもまた運命。独力で道を開拓するもよし。」

 「そう言うのを世間では意固地と言うんです。」

 「ヒジカタさん!」

 「悪い話じゃあ無いだろ?無理矢理新選組に入れとは一言も言うておらん。」

 「アラガキ二尉、このままじゃ、手薄な京都の街を歩く事になりますよ?」

 「分かっている、ホシノ三尉。」

 「チェスト!」

 「うわ、ビビった。止めてくださいよ。ヒジカタさん。」

 「って感じで斬り殺されるのが関の山。一緒に江戸に行こう。」

 「絶対新選組には入隊しませんからね?」

 「私達は天下の新選組ですよ。有言実行の部隊だよ?なぁ、ソウジ?」

 「そう言う事なら一緒に行かせて貰います。」

 「はぁ、これがあの臨艦丸か…。」

 「知っているのか?」

 「ああ。歴史の授業で習った。」

 「なぁ、お前達未来人は新選組の行く末を知っているのだろう?」

 「残念ながら、知っているのは私達がいた世界での新選組の事。この世界では、新選組がどうなるかは分かりません。分かりやすく言えばこの世界の未来ではない未来から来たと言う事です。」

 「何?」

 「我々が来た世界をゼアーと呼び、この世界をディスと呼ぶとします。例えばディスでは、オキタさんがピンピンしていますが、ゼアーでは、オキタさんは結核で25歳の若さで亡くなっています。他にもディスでは、池田屋事変や坂本龍馬暗殺と言った歴史的重大事件が発生しておりません。」

 「つまり、今ここにいる新選組の末路はTSP(タイムスリップ)して来た我々海上自衛官にも分からないと言う事なのです。」

 「そうか…。やはり神は答えを簡単には示さないか。」

 「江戸に到着したら我々は、原隊復帰せねばなりませんが、新選組の皆さんはどうされるのですか?」

 「とりあえず江戸へ戻れと言う指示だけなので八王子の試衞館に幹部隊員は身を寄せるつもりだ。」

 「原点回帰ですか?それも良い選択ですね。」

 「そう思うかアラガキ二尉?もう故郷をたって5年以上経過しているんだ。いい頃合いかと。」

 「新選組一般隊員はどうされるのですか?」

 「江戸城にお預かりしてもらおうかと思っている。薩摩・長州を倒さねば、徳川の世は守れない。異国もいる。ゆっくりしている暇はない。」

 「そうですね。さ、行くぞホシノ三尉。」

 「はい!」

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