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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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シグサワーP5

 イウラトオル海曹長は入隊24年目の頼れるベテラン隊員であった。一方ヨシイカズミ二等海曹も入隊10年目の中堅下士官である。二人がTSPしたのは、運悪く京都であった。

 「イウラ曹長、私あっち見て来ますね?」

 「ヨシイ二曹、気を付けて行け。」

 「はい。」

 「念のためこれを持っておくんだ。」

 「これはシグサワーP5(自動式回転拳銃)じゃないですか?」

 「最悪の場合にだけ使えよ。弾丸は6発しかないからな。」

 「行って来ます!」

 「ヤバい‼京都見廻り組のササキタダサブロウがいる。このルートは駄目か…。」

 すると突然イウラ曹長の右腕をヨシイ二曹が引っ張った。

 「ヨシイ二曹!?」

 「商人の話だと、こちらからなら安全に洛外に出られそうです。急ぎましょう。」

 「お、おう。」

 「ここまで来れば親衛隊も新選組も京都見廻り組も追っては来ないはず。」

 「流石だなヨシイ二曹。」

 「シグサワーが役に立ちましたよ。」

 「発砲音は無かったようだが?」

 「京商人の脅しには充分過ぎました。」

 「それでこんな道を…。」

 「信じたくはないですが、どうやら幕末にTSPしちゃったみたいですね?」

 「他のきりざめクルーはどうなったんだろうな?」

 「きりざめごとTSPしちゃったんですかね?」

 「確証はないがきりざめときりざめクルーは同時刻にTSPしているはず。」

 「そうか。と言う事は横須賀を目指せば良いのだな?」

 「いえ。先ずは江戸を目指すのが良策かと。」

 「って事は大阪から海路で江戸へ?」

 「船賃は?」

 「この時計を質屋に入れましょう。手離したくはありませんが。」

 「そんな貴重な時計より、俺の時計を質屋に入れる。1000円で買った奴だが、物珍しい事に違いはない。ちなみに大阪-江戸間の船賃は一人2両だ。二人で4両。それを下回る様なら、自衛隊創設50周年の限定海上自衛隊モデルの腕時計の出番だ。」

 「え?マジですか?」

 とりあえず二人は大阪の質屋に向かった。

 「何やこれは?」

 「時計です。」

 「3両でどうだ?」

 「もう一声!」

 「4両で!」

 よしきた!と二人は思った。

 「なんや、あんちゃんの方が良い時計持っとるやないか?まとめて10両でどや?」

 「ヨシイ二曹、背に腹は変えられん。今の我々には現金が必要だ。」

 「分かりました。イウラ曹長。」

 「はい。10両。まいどあり。」

 「ヨシイ二曹、大切な時計をこのような形で売るはめになってしまった事は本当に申し訳ない。」

 「良いんですよ。1000円のバッタもん時計よりもあの質屋にしてやられましたね。外しとけば…。まぁ、妥当な線ですね。」

 「そうだな、足元見られたな。」

 「まぁ、これで江戸に行けますし。よしとしましょう。」

 こうしてイウラ曹長とヨシイ二曹は無事にきりざめに辿り着き原隊復帰した。

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