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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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トライアングル・タクティクス

 マツモトコウスケ一等海士は高卒2年目のペーペーである。きりざめ内で喧嘩を繰り返す等、素行不良の為、昇進が遅れていた。そんな不器用な彼も純粋に幹部自衛官を目指していた。一方、キムラタエコ海士長はWAVE(女性海上自衛官)である。三曹への昇任試験にも合格して自衛隊に残ろうと思っていたが、結婚の話が持ち上がり、寿除隊するかを迷っていた。夫は民間人だが、自衛隊への理解も深く、彼女の意思を最大限尊重してくれている。そんな二人の隊員は江戸築地で発見された。

 その頃、武蔵艦内ではきりざめに搭載されているヘリ(オートジャイロ)のパイロットがきりざめに戻った事が話題となっていた。その噂は、大和艦長のヤマグチ大佐の元にも及んでいた。

 「で、そのオートジャイロは完成には時間がかかると?」

 「はい。部品集めから行っておりますので、実戦配備には至っておりません。」

 「そうですか…。新兵器は時代を変え得る力を持つ。情報共有はしっかりと頼みますよ。」

 「分かりました。」

 「トライアングルタクティクス…。か。」

 「海野一佐?」

 「大和も武蔵もきりざめも、運命共同体なのだよ?」

 「同じ穴のむじなですから。」

 そんな事を話ていた時、きりざめ艦上に勝さんが現れたのは偶然では無かった。

 「玄太郎!」

 「勝さん?」

 「ワシに隠し事をしておくとは何事か?オートジャイロを今すぐに見せろ!」

 「落ち着いて下さい。勝さん。オートジャイロはまだ進捗率20%しか出来ていません。お見せ出来る状況下になればいつでもお見せしますよ。」

 「本当だな?」

 「武士に二言はありません。」

 「それはそうと、大分隊員も戻って来たようじゃのう?数ヵ月前とは比べ物にならん活気じゃのう。」

 「はい。お陰様で3分の2のクルーを確保しました。このペースで隊員が集まれば、きりざめも戦闘可能となります。」

 「玄太郎?御主等はこれから日本がどうなるのか知っているのだろう?」

 「はい。しかしもうこの世界が我々の知る物とは異なります。それに大和に武蔵を加えての他国海軍との戦争となりますと、今なら勝てます。」

 「とは言え、アカギ中将やヤマグチ大佐や私も出来る事なら戦争はしたくありません。」

 「この日の本を守る為には、玄太郎なら分かるよな?」

 「新芽は青いうちに摘み取れ。他人が駆け付ける前に。ですよね?」

 「ワシは貴様に何も教えていないが、ワシの事をよーく知っておるな。」

 「ゼアー(TSPする前にいた世界)で、勝海舟の著書を拝見しておりますので。」

 「まだ何か隠し事をしているのか?」

 「勝さんはディス(TSPした後の世界)での恩人ですが、私にも話せない事の一つや二つありますよ?勝さんだって私に話せない事があるでしょう?」

 「ディスだのゼアーだのややこしくて敵わん。今日は御所に戻る。」

 「お帰りならこちらですよ?」

 「分かっているわい。」

 「海野艦長、これで良かったんですよね?」

 「マツオカ三佐、無駄な詮索はせず急いでヘリ(オートジャイロ)を完成させろ。」

 「了解しました。」

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